2025/01/16
防災・危機管理ニュース

日本大学危機管理学部(東京都世田谷区 福田充学部長)は1月14日、NPO法人減災教育普及協会、神奈川歯科大学、一般社団法人AR防災と協力し、日本の防災教育と避難訓練を刷新する新プロジェクト開始すると発表した。「避難訓練をアップデートする!」事業は災害の実態を反映していない現在の避難訓練の改善を目標にエビデンスを積み上げ、適切な防災教育の全国的な展開を目指す。
日本大学・危機管理学部の秦康範教授は、東日本大震災を例に「学校の校庭や体育館に避難した住民が津波で犠牲になった例も多数報告されている」と誤った避難訓練が命に関わると指摘。防災教育や避難訓練改善の必要性を強調した。
NPO法人減災教育普及協会の江夏猛史理事長は、「避難訓練を実施する教師たちが、正しい防災教育を学べる機会が少ない」と問題点を提示。防災訓練による避難行動が大人になっても改善される機会がない危険性を説明した。
VRとARの開発を進めてきた神奈川歯科大学・歯学部の板宮朋基教授は防災教育におけるVRとAR技術の活用について説明。「知識、想像力、行動力の3つが防災に必要な力」と話し、想像力を養えるVRとARを使った災害疑似体験ツールの有効性を紹介した。
一般社団法人AR防災の板宮晶大代表理事は、VRやARを活用したリアルな災害体験を通じて防災意識を高める重要性を説明し、「エビデンスに基づいた防災教育プログラムの確立を目指す」と述べた。
2025年度は日本大学の認定こども園や系列高等学校をモデル施設として、避難訓練法や指導法の教育効果の調査を実施する予定だ。
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