2025/01/22
防災・危機管理ニュース
【ワシントン時事】トランプ米大統領は、2月1日からメキシコとカナダからの輸入品に25%の関税を課すことを検討していると表明した。また、全輸入品への一律関税を念頭に、米貿易赤字の原因や影響を調査し、関税などの措置を検討するよう関係省庁に命令。貿易相手国の不公正な貿易慣行や通貨安誘導の実態も調べ、対処法を検討するよう指示した。
「メキシコとカナダは、多くの人(不法移民)や合成麻薬フェンタニルの流入を許している」。トランプ氏は20日、ホワイトハウスで大統領令に次々署名しながら、記者団に不満を漏らした。
就任初日の同日、不法移民の流入口となっている対メキシコ国境に「国家非常事態」を発令し、軍の派遣を打ち出した。関税を課すことで経済的な圧力も加え、両国に対策を迫る狙いだ。
トランプ氏がカナダとメキシコへの関税を打ち出したのは、就任前の昨年11月。両国は国境警備の強化に乗り出し、米国への協力姿勢を示す一方、「断固とした対応を取る」(カナダのトルドー首相)と、報復関税の準備も進めている。
英調査会社オックスフォード・エコノミクスは、関税を掛け合う「貿易戦争」に発展すれば、3カ国間の貿易量は半減する可能性があると試算。メキシコに多くの生産拠点を持つ自動車産業が「特に大きな影響を受ける」といい、3カ国の経済に打撃を与えると警告する。
一方、全輸入品への10~20%の一律関税は、「準備ができていない」(トランプ氏)として、即日発動を見送り。60%の対中関税も実施時期を示さなかった。
ただ、トランプ氏は就任演説で、「貿易体制を全面的に見直す。外国に関税を課す」と表明。大統領令では、貿易環境を徹底的に調査する姿勢を示しており、過激な関税発動の構えを崩していない。
(ニュース提供元:時事通信社)
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
入居ビルの耐震性から考える初動対策退避場所への移動を踏まえたマニュアル作成
押入れ産業は、「大地震時の初動マニュアル」を完成させた。リスクの把握からスタートし、現実的かつ実践的な災害対策を模索。ビルの耐震性を踏まえて2つの避難パターンを盛り込んだ。防災備蓄品を整備し、各種訓練を実施。社内説明会を繰り返し開催し、防災意識の向上に取り組むなど着実な進展をみせている。
2025/06/13
-
「保険」の枠を超え災害対応の高度化をけん引
東京海上グループが掲げる「防災・減災ソリューション」を担う事業会社。災害対応のあらゆるフェーズと原因に一気通貫の付加価値を提供するとし、サプライチェーンリスクの可視化など、すでに複数のサービス提供を開始しています。事業スタートの背景、アプローチの特徴や強み、目指すゴールイメージを聞きました。
2025/06/11
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/06/10
-
その瞬間、あなたは動けますか? 全社を挙げた防災プロジェクトが始動
遠州鉄道株式会社総務部防災担当課長の吉澤弘典は、全社的なAI活用の模索が進む中で、社員の防災意識をより実践的かつ自分ごととして考えさせるための手段として訓練用のAIプロンプトを考案した。その効果は如何に!
2025/06/10
-
-
緊迫のカシミール軍事衝突の背景と核リスク
4月22日にインド北部のカシミール地方で起こったテロ事件を受け、インドは5月7日にパキスタン領内にあるテロリストの施設を攻撃したと発表した。パキスタン軍は報復として、インド軍の複数の軍事施設などを攻撃。双方の軍事行動は拡大した。なぜ、インドとパキスタンは軍事衝突を起こしたのか。核兵器を保有する両国の衝突で懸念されたのは核リスクの高まりだ。両国に詳しい防衛省防衛研究所の主任研究官である栗田真広氏に聞いた。
2025/06/09
-
危険国で事業展開を可能にするリスク管理
世界各国で石油、化学、発電などのプラント建設を手がける東洋エンジニアリング(千葉市美浜区、細井栄治取締役社長)。グローバルに事業を展開する同社では、従業員の安全を最優先に考え、厳格な安全管理体制を整えている。2021年、過去に従業員を失った経験から設置した海外安全対策室を発展的に解消し、危機管理室を設立。ハード、ソフト対策の両面から従業員を守るため、日夜、注力している。
2025/06/06
-
福祉施設の使命を果たすためのBCPを地域ぐるみで展開災害に強い人づくりが社会を変える
栃木県の社会福祉法人パステルは、利用者約430人の安全確保と福祉避難所としての使命、そして災害後も途切れない雇用責任を果たすため、現在BCP改革を本格的に推進している。グループホームや障害者支援施設、障害児通所支援事業所、さらには桑畑・レストラン・工房・農園などといった多機能型事業所を抱え、地域ぐるみで「働く・暮らす・つながる」を支えてきた同法人にとって、BCPは“災害に強い人づくり”を軸にした次の挑戦となっている。
2025/06/06
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方