2025/01/24
防災・危機管理ニュース
フジテレビ社員の関与が報道された中居正広さんと女性とのトラブルに関し、同社と親会社は23日、日本弁護士連合会のガイドラインに沿った第三者委員会を設置したと発表した。週刊文春などによる報道から約1カ月。有識者は「スピード感や情報開示といった不祥事対応のすべてが失格だ」と厳しく批判した。
危機管理コンサルタントの田中正博さんは、組織に不祥事が発生した際の対応として「スピード感」「情報開示」「社会的視点からの判断」の3点が極めて重要と強調する。問題発覚後の同社による一連の対応はいずれも欠けていたといい、「事の重大性に対する認識が甘かった」と話した。
一部の記者クラブ加盟社などに出席を限定した17日の記者会見についても「閉ざされた会見は隠蔽(いんぺい)疑惑を招く。誤った企業防衛だった」と分析。誤った判断となった背景として、同社が問題を中居さんと女性の「個人的なもの」と捉えた認識の甘さを挙げた上で、「コーポレートガバナンス(企業統治)が機能不全だった。関係役員は即時辞任すべきだ」と主張した。
桜美林大の田淵俊彦教授(メディア論)は、23日にあった第三者委設置などの発表について「当たり前のことで、目新しい話は何もなかった」と指摘。フジテレビについては「番組を制作してもCMが流れなくなるなどし、現場の社員は疲弊しているのでは」と話した。
同社は23日夕方のニュース番組で、社員説明会の様子をリアルタイムで伝え、港浩一社長による一連の問題への謝罪も紹介した。田淵教授は「スポンサーや、親会社の大株主である米投資ファンド、総務省向けのパフォーマンスにすぎない」と分析した。
〔写真説明〕フジ・メディア・ホールディングス(HD)の本社=17日、東京都港区
(ニュース提供元:時事通信社)

防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
-
-
月刊BCPリーダーズ2025年上半期事例集【永久保存版】
リスク対策.comは「月刊BCPリーダーズダイジェスト2025年上半期事例集」を発行しました。防災・BCP、リスクマネジメントに取り組む12社の事例を紹介しています。危機管理の実践イメージをつかむため、また昨今のリスク対策の動向をつかむための情報源としてお役立てください。
2025/10/24
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/10/21
-
「防災といえば応用地質」。リスクを可視化し災害に強い社会に貢献
地盤調査最大手の応用地質は、創業以来のミッションに位置付けてきた自然災害の軽減に向けてビジネス領域を拡大。保有するデータと専門知見にデジタル技術を組み合わせ、災害リスクを可視化して防災・BCPのあらゆる領域・フェーズをサポートします。天野洋文社長に今後の事業戦略を聞きました。
2025/10/20
-
-
-
走行データの活用で社用車をより安全に効率よく
スマートドライブは、自動車のセンサーやカメラのデータを収集・分析するオープンなプラットフォームを提供。移動の効率と安全の向上に資するサービスとして導入実績を伸ばしています。目指すのは移動の「負」がなくなる社会。代表取締役の北川烈氏に、事業概要と今後の展開を聞きました。
2025/10/14







※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方