2025/03/04
防災・危機管理ニュース
【バンコク時事】タイで約11年間拘束されていた中国出身のウイグル族男性40人が強制送還されたことを巡り、タイ国内外から批判が相次いでいる。タイ政府は「中国が男性らの安全を保証した」と弁明するが、人権団体は「中国が国際的な人権基準を順守するとは限らない」と訴えた。
中国・新疆ウイグル自治区出身の男性らは2014年、中国政府からの抑圧から逃れるため不法に入国したタイで拘束され、入管施設に収容された。タイ政府は今年2月27日、男性らを中国に送還した。
タイ政府によると、送還は中国側からの要請を受けて数カ月前から検討。身の安全や親族らとの面会、社会復帰の促進を中国側が約束したと男性らに説明したところ、「同意が得られた」としている。
ただ、ウイグル族に対して中国当局はテロ対策などの名目で締め付けを強化し、拷問などの人権侵害の疑いも指摘される。米国のルビオ国務長官は男性らの送還後、「最も強い言葉で非難する。タイ政府はウイグル族の人権が守られているか継続して確認しなければならない」とする声明を出した。
タイの人権団体「ピープルズエンパワーメント財団」のチャリダー理事長は「男性らの家族の多くはトルコにおり、再会を望んでいたがかなわず動揺している。タイ政府は送還手続きの詳細を明らかにするべきだ」と強調した。
〔写真説明〕タイの人権団体「ピープルズエンパワーメント財団」のチャリダー理事長=4日、バンコク
(ニュース提供元:時事通信社)

防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
備蓄燃料のシェアリングサービスを本格化
飲料水や食料は備蓄が進み、災害時に比較的早く支援の手が入るようになりました。しかし電気はどうでしょうか。特に中堅・中小企業はコストや場所の制約から、非常用電源・燃料の備蓄が難しい状況にあります。防災・BCPトータル支援のレジリエンスラボは2025年度、非常用発電機の燃料を企業間で補い合う備蓄シェアリングサービスを本格化します。
2025/04/27
-
自社の危機管理の進捗管理表を公開
食品スーパーの西友では、危機管理の進捗を独自に制作したテンプレートで管理している。人事総務本部 リスク・コンプライアンス部リスクマネジメントダイレクターの村上邦彦氏らが中心となってつくったもので、現状の危機管理上の課題に対して、いつまでに誰が何をするのか、どこまで進んだのかが一目で確認できる。
2025/04/24
-
-
常識をくつがえす山火事世界各地で増える森林火災
2025年、日本各地で発生した大規模な山火事は、これまでの常識をくつがえした。山火事に詳しい日本大学の串田圭司教授は「かつてないほどの面積が燃え、被害が拡大した」と語る。なぜ、山火事は広がったのだろうか。
2025/04/23
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/04/22
-
帰宅困難者へ寄り添い安心を提供する
BCPを「非常時だけの取り組み」ととらえると、対策もコストも必要最小限になりがち。しかし「企業価値向上の取り組み」ととらえると、可能性は大きく広がります。西武鉄道は2025年度、災害直後に帰宅困難者・滞留者に駅のスペースを開放。立ち寄りサービスや一時待機場所を提供する「駅まちレジリエンス」プロジェクトを本格化します。
2025/04/21
-
-
大阪・関西万博 多難なスタート会場外のリスクにも注視
4月13日、大阪・関西万博が開幕した。約14万1000人が訪れた初日は、通信障害により入場チケットであるQRコード表示に手間取り、入場のために長蛇の列が続いた。インドなど5カ国のパビリオンは工事の遅れで未完成のまま。雨にも見舞われる、多難なスタートとなった。東京オリンピックに続くこの大規模イベントは、開催期間が半年間にもおよぶ。大阪・関西万博のリスクについて、テロ対策や危機管理が専門の板橋功氏に聞いた。
2025/04/15
-
BCMSで社会的供給責任を果たせる体制づくり能登半島地震を機に見直し図り新規訓練を導入
日本精工(東京都品川区、市井明俊代表執行役社長・CEO)は、2024年元日に発生した能登半島地震で、直接的な被害を受けたわけではない。しかし、増加した製品ニーズに応え、社会的供給責任を果たした。また、被害がなくとも明らかになった課題を直視し、対策を進めている。
2025/04/15
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方