2025/04/01
防災・危機管理ニュース
【バンコク時事】ミャンマー中部を震源とする地震で、民主派組織「国民統一政府(NUG)」は1日、被災者が各地で計約850万人に上ると発表した。日中は気温が約40度に達し、水などが不足する過酷な環境の中、余震におびえる被災者らは路上での避難生活を余儀なくされている。
ミャンマーでは2021年、国軍がクーデターで民主派政権を打倒。民主派はNUGを樹立し、一部少数民族勢力と連携して各地で武装闘争を展開している。
NUGによると、震源に近いザガイン地域やマンダレー地域だけでなく、首都ネピドーやバゴー地域、北東部シャン州などで大きな被害が出た。ロイター通信が国軍の発表として伝えたところによれば、1日時点で死者は2719人、負傷者は4521人に達しているが、日本人1人を含む多数の安否不明者がおり、死傷者は増加する見込み。
ザガインの一部などを支配するNUGは、がれきの撤去や仮設住宅の設置といった救援活動を実施。地震の影響で地下水が汚染されたり、道路や橋の損傷で物資の入手が困難になったりしていると指摘し、「国軍による船舶や車両への監視が厳しく、被災地では今後食料不足が発生する恐れがある」と訴えた。
国連人道問題調整事務所(OCHA)は3月31日、「マンダレー地域やザガイン地域、ネピドーなどに住む多くの市民は、家が破壊されたり余震を恐れたりして野宿している」と報告。避難所や医療、生活用品の緊急援助が必要だとしている。
隣国タイの首都バンコクで建築中のビルが崩落した現場では1日、引き続き捜索が実施された。男女14人の死亡が確認され、73人ががれきの中に取り残されている。
〔写真説明〕地震により倒壊した建物=1日、ミャンマー中部マンダレー(EPA時事)
(ニュース提供元:時事通信社)

防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/09/02
-
-
-
ゲリラ雷雨の捕捉率9割 民間気象会社の実力
突発的・局地的な大雨、いわゆる「ゲリラ雷雨」は今シーズン、全国で約7万8000 回発生、8月中旬がピーク。民間気象会社のウェザーニューズが7月に発表した中期予想です。同社予報センターは今年も、専任チームを編成してゲリラ雷雨をリアルタイムに観測中。予測精度はいまどこまで来ているのかを聞きました。
2025/08/24
-
スギヨ、顧客の信頼を重視し代替生産せず
2024年1月に発生した能登半島地震により、大きな被害を受けた水産練製品メーカーの株式会社スギヨ(本社:石川県七尾市)。その再建を支えたのは、同社の商品を心から愛する消費者の存在だった。全国に複数の工場があり、多くの商品について代替生産に踏み切る一方、主力商品の1つ「ビタミンちくわ」に関しては「能登で生産している」という顧客の期待を重視し、あえて現地工場の再開を待つという異例の判断を下した。結果として、消費者からの強い支持を受け、ビタミンちくわは過去最高近い売り上げを記録している。一方、BCPでは大規模な地震などが想定されていないなどの課題も明らかになった。同社では今、BCPの立て直しを進めている。
2025/08/24
-
-
-
-
ゲリラ豪雨を30分前に捕捉 万博会場で実証実験
「ゲリラ豪雨」は不確実性の高い気象現象の代表格。これを正確に捕捉しようという試みが現在、大阪・関西万博の会場で行われています。情報通信研究機構(NICT)、理化学研究所、大阪大学、防災科学技術研究所、Preferred Networks、エムティーアイの6者連携による実証実験。予測システムの仕組みと開発の経緯、実証実験の概要を聞きました。
2025/08/20
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方