【ニューデリー時事】インド北部の観光地パハルガムで22日、武装集団が観光客らに発砲し、地元メディアによると、外国人観光客2人を含む少なくとも26人が死亡した。当局はテロ事件とみて捜査。現場はパキスタンと領有権を争うカシミール地方のインド側支配地域にある。
 パキスタンに拠点を置くイスラム過激派「ラシュカレトイバ」(LeT)との関連が指摘される組織がSNSを通じ犯行を主張した。カシミール地方で起きたテロによる民間人の被害として「近年最悪」と報じられている。犠牲者の国籍を含め詳細は不明。
 パハルガムは地元で「小さなスイス」と呼ばれ、風光明媚(めいび)な避暑地として知られる。武装集団は女性への発砲を避け、男性を標的にしたという。モディ首相はX(旧ツイッター)上で「凶悪な行為の背後にいる者たちは裁きを受ける」と強く非難した。
 住民の多くがイスラム教徒のカシミール地方では、ヒンズー教が支配的なインドからの独立やパキスタンへの帰属を求める過激派がたびたびテロを起こしている。インド側はパキスタン政府による背後での関与を疑っており、今回の事件を受け両国関係の悪化が進む恐れがある。 
〔写真説明〕22日、インド北部の観光地パハルガムで、救急車が通る道路を警備する治安要員(EPA時事)

(ニュース提供元:時事通信社)