2025/05/08
防災・危機管理ニュース
【ニューデリー時事】インドによるパキスタン攻撃の引き金となったのは、両国の係争地カシミール地方で起きたテロだ。同地方は、印パ対立の根源として多くの紛争を引き起こし、南アジアの「火薬庫」と呼ばれる。
カシミールは英領インド時代、半ば独立した一つの藩王国だった。住民の多数派はイスラム教徒だったのに対し、藩王はヒンズー教徒。1947年、ヒンズー教主体のインドとイスラム教を国教とするパキスタンが英領インドから分離独立する際、藩王がインドへの帰属を表明したことで印パの戦争に発展した。
国連の仲裁で停戦したものの恒久的な和平に至らず、第2次戦争が勃発。71年には東パキスタン(現バングラデシュ)の独立を巡り第3次戦争が起き、カシミールも戦地となった。3度の戦争を経て、同地方は印パそれぞれの支配地域に事実上分割された。
近年も両軍の小競り合いや、インドからの独立などを訴える過激派によるテロが発生してきた。こうした中、インドのモディ政権は2019年、同地方のインド側に当たるジャム・カシミール州に対し特別な自治権を認めていた憲法の規定を廃止。州を二つの連邦直轄地に分割した。カシミールの支配強化が主な狙いとされ、パキスタンは対印貿易を停止するなど猛反発した。
〔写真説明〕カシミール地方のインド側中心都市スリナガルで警備に当たる治安要員=4月28日(AFP時事)
(ニュース提供元:時事通信社)

防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2025/05/05
-
企業理念やビジョンと一致させ、意欲を高める人を成長させる教育「70:20:10の法則」
新入社員研修をはじめ、企業内で実施されている教育や研修は全社員向けや担当者向けなど多岐にわたる。企業内の人材育成の支援や階層別研修などを行う三菱UFJリサーチ&コンサルティングの有馬祥子氏が指摘するのは企業理念やビジョンと一致させる重要性だ。マネジメント能力の獲得や具体的なスキル習得、新たな社会ニーズ変化への適応がメインの社内教育で、その必要性はなかなかイメージできない。なぜ、教育や研修において企業理念やビジョンが重要なのか、有馬氏に聞いた。
2025/05/02
-
-
備蓄燃料のシェアリングサービスを本格化
飲料水や食料は備蓄が進み、災害時に比較的早く支援の手が入るようになりました。しかし電気はどうでしょうか。特に中堅・中小企業はコストや場所の制約から、非常用電源・燃料の備蓄が難しい状況にあります。防災・BCPトータル支援のレジリエンスラボは2025年度、非常用発電機の燃料を企業間で補い合う備蓄シェアリングサービスを本格化します。
2025/04/27
-
自社の危機管理の進捗管理表を公開
食品スーパーの西友では、危機管理の進捗を独自に制作したテンプレートで管理している。人事総務本部 リスク・コンプライアンス部リスクマネジメントダイレクターの村上邦彦氏らが中心となってつくったもので、現状の危機管理上の課題に対して、いつまでに誰が何をするのか、どこまで進んだのかが一目で確認できる。
2025/04/24
-
-
常識をくつがえす山火事世界各地で増える森林火災
2025年、日本各地で発生した大規模な山火事は、これまでの常識をくつがえした。山火事に詳しい日本大学の串田圭司教授は「かつてないほどの面積が燃え、被害が拡大した」と語る。なぜ、山火事は広がったのだろうか。
2025/04/23
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/04/22
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方