国連児童基金(ユニセフ)の研究機関、イノチェンティ研究所は14日、経済協力開発機構(OECD)加盟国などを対象にした「子どもの幸福度」ランキングを発表した。日本は36カ国中14位と前回の20位から順位を上げた。上位はオランダやデンマークなど欧州諸国が独占した。
 ランキングは2022年時点のデータに基づき、「精神的幸福度」「身体的健康」「スキル(学力と社会技能)」の3分野について総合的に評価。米国やオーストラリアはデータ不足のためランク付けできなかった。
 各国の評価は、15歳の生活満足度がほとんどの国で低下。基礎学力を有する生徒の割合が増加したのは3カ国のみなど、改善が見られた国は少なかった。
 日本は「身体的健康」で20年発表の前回ランキングと同じ1位。「精神的幸福度」は32位(前回37位)、「スキル」は12位(同27位)で、いずれも上昇した。
 同研究所の担当者は、各国の指標悪化の背景について「新型コロナウイルス流行による長期的な学校閉鎖などが子どもたちの生活に大きな影響を与えた」と分析。日本の指標が好転した背景について、阿部彩・東京都立大子ども・若者貧困研究センター長は「コロナ禍における休校期間の短さや子どもがいる世帯の経済状況の改善が要因として考えられる」との見方を示した。 
〔写真説明〕オランダ・ライデルドルプの小学校で、試験を受ける子どもたち(資料)

(ニュース提供元:時事通信社)