2025/06/15
防災・危機管理ニュース
オンライン証券口座を何者かに乗っ取られ、不正取引される被害が後を絶たない。証券各社は、口座へのログイン時に複数の方法で本人確認する「多要素認証」を必須化するなどの対策に乗り出しているが、専門家は「被害防止には万全ではない」と警鐘を鳴らす。
証券口座乗っ取りを巡っては1~5月末、証券会社16社で株を勝手に売買される不正取引が計5958件確認され、売買金額は計約5240億円に上った。悪用されたIDとパスワードは、フィッシングやコンピューターウイルスによって盗まれたとみられ、警視庁が不正アクセス禁止法違反容疑で捜査を続けている。
証券各社も、急ピッチで被害防止に取り組んでいる。日本証券業協会によると、これまでに76社がログイン時、IDとパスワードに加え、ワンタイムパスワードの入力を求めるなど、多要素認証の必須化を決めた。
ワンタイムパスワードは一度しか使用できず、一定時間ごとに自動的にパスワードが更新される。サイバーセキュリティー事業を手掛ける「マクニカ」(横浜市)のセキュリティ研究センター長補佐、瀬治山豊さんは「被害防止に一定の効果はある」との見方を示す。
ただ、「リアルタイムフィッシング」の存在を挙げ、「引き続き注意が必要だ」と呼び掛ける。
リアルタイムフィッシングは、攻撃者が利用者のIDやパスワードだけでなく、ワンタイムパスワードなども盗み取る手口で、多要素認証を突破できるとされる。
フィッシング対策協議会によると、2019年ごろから手口が確認されるようになり、23年にインターネットバンキングの不正送金被害が急増した要因の一つとも考えられている。
瀬治山さんは、口座乗っ取りや不正取引の被害防止に向け、万全ではないとしつつ、「多要素認証は必ず設定してほしい」と強調。従来のフィッシング対策と同様に「メールやショートメッセージサービス(SMS)のリンクを開かないことも重要だ」と訴えている。
〔写真説明〕取材に答える「マクニカ」の瀬治山豊さん=5日、横浜市
(ニュース提供元:時事通信社)

防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2026/03/24
-
-
-
-
-
火事・水害の被災設備に復旧という選択肢
災害復旧専門サービスのベルフォアジャパンは昨年、独自営業による顧客開拓に乗り出しました。これまでは共同出資者の東京海上日動火災保険を窓口としてきましたが、体制変更を機に直接の市場アプローチを開始。BCPの実効性を確保する手段として自社のサービスを訴求する考えです。代表取締役社長の加藤道久氏に今後の市場戦略を聞きました。
2026/03/18
-
-
-
余計な情報をつながない安否確認システム
安否確認システム「オクレンジャー」は2006 年に提供を開始したサービス。災害時の初動に欠かせないアプリとして広く認知され、累計ユーザー数260 万を突破した。開発元のパスカルは地域のSIerとして、防災分野以外でもビジネスの高度化に貢献する。社長の井上隆氏に、創業以来の事業コンセプトと今後の展望を聞いた。
2026/03/11
-







※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方