2025/06/16
防災・危機管理ニュース
病気やけがで仕事を30日以上休む「長期病休」の発生率は20代女性が最も高く、同年代の男性と比べて2倍に上るとの研究結果を、国立健康危機管理研究機構(JIHS)が16日までに発表した。うつ病や不安障害を含む精神疾患が主な要因で、重いつわりなど妊娠関連の長期病休も目立った。
JIHSの谷山祐香里研究員らは、関東・東海地方に本社がある企業で働く約10万人を対象に、2012~21年度までの病休事例を分析。連続30日以上を長期病休とした上で、発生率を性別や年齢、原因別に調べた。
この期間中に発生した長期病休は、男性が6518件、女性は1866件。「1万人が1年間働いた場合、何件の長期病休が発生するか」と仮定して発生率を計算すると、男性の89.2に対し、女性は115.5と、女性の方が高かった。
年代別では、20代女性の176.6が最も高く、同年代の男性(83.8)と比べると2.1倍に上った。
男女いずれも長期病休の主な要因は精神疾患だったが、年齢の上昇とともに割合は減少。30~50代の女性は同年代の男性と比べ、がんを理由とした病休の発生率が高い傾向も確認された。
谷山研究員は「女性は男性と比べ、長期病休の発生率が全般的に高い。病休を引き起こす疾病のケアや予防には、性差や年齢差を考慮した対応が必要だ」としている。
〔写真説明〕診断書(写真はイメージ)
(ニュース提供元:時事通信社)

防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
カムチャツカ半島と千島海溝地震との関連は?
7月30日にカムチャツカ半島沖で発生した巨大地震は、千島からカムチャツカ半島に伸びる千島海溝の北端域を破壊し、ロシアで最大4 メートル級の津波を生じさせた。同海域では7月20日にもマグニチュード7.4の地震が起きており、短期的に活動が活発化していたと考えられる。東大地震研究所の加藤尚之教授によれば、今回の震源域の歪みはほぼ解放されたため「同じ場所でさらに大きな地震が起きる可能性は低い」が「隣接した地域(未破壊域)では巨大地震の可能性が残る」とする。
2025/08/01
-
巨大地震後に噴火 カムチャツカ半島・クリュチェフスカヤ火山地震と噴火の関係は?専門家に聞く
7月30日に発生した、カムチャツカ半島沖を震源とするマグニチュード8.7の地震は、遠く離れた日本の太平洋沿岸一帯に、広く警報を発令させるほどの津波をもたらした。さらにカムチャツカ半島では地震発生後に、クリュチェフスカヤ火山が噴火した。巨大地震がこの噴火の引き金になったのか。地震と噴火の関係について、火山と地震の観測が専門で、調査のために約20回もカムチャツカ半島に足を運んでいる、北海道大学理学研究科附属地震火山研究観測センター教授の高橋浩晃氏に聞いた。
2025/07/31
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/07/29
-
-
-
「想定外」を乗り越える力コカ・コーラ ボトラーズジャパンが挑む、危機管理の再構築
コカ・コーラ社製品の製造、販売、自動販売機のオペレーションなどを手掛ける、コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社は、2024年の能登半島地震を機に、危機管理体制の再強化に乗り出している。直接的な被害は免れたものの、系列他社の被災や支援要請の集中を通じて、情報伝達や意思決定、業務の優先順位といった多くの課題が顕在化した。同社は今、グローバル基準の危機対応フレーム「IMCR」の再徹底を軸に、全社一丸の再構築に踏み出している。
2025/07/21
-
-
-
-
ランサムウェアの脅威、地域新聞を直撃
地域新聞「長野日報」を発行する長野日報社(長野県諏訪市、村上智仙代表取締役社長)は、2023年12月にランサムウェアに感染した。ウイルスは紙面作成システム用のサーバーとそのネットワークに含まれるパソコンに拡大。当初より「金銭的な取引」には応じず、全面的な復旧まで2カ月を要した。ページを半減するなど特別体制でなんとか新聞の発行は維持できたが、被害額は数千万に上った。
2025/07/10
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方