【ブリュッセル時事】欧州連合(EU)欧州委員会は2日、2040年までに温室効果ガスの排出量を1990年比で90%削減する新たな目標を発表した。30年までに少なくとも55%減らし、50年に排出を実質ゼロにするという既存の脱炭素化計画の中間目標と位置付ける。
 脱炭素化に向けた道筋をより具体的に示すことで、産業界や投資家からの長期資金を呼び込みやすくする狙いがある。また、36年以降に最大3%分をEU域外の排出量取引で購入した「クレジット」で補うことを認めるなど、目標達成への手段に柔軟性を持たせた。
 欧州議会と欧州理事会での審議を経て、今年11月にブラジルで開かれる国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)までの法制化を目指す。
 フォンデアライエン欧州委員長は声明で「欧州の市民が気候変動の影響をますます実感する中、彼らは行動を求めている。目標は明確で、その道筋は現実的かつ実行可能なものだ」と強調した。 
〔写真説明〕猛暑に見舞われたパリ中心部の薬局に取り付けられた温度計=1日(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)