【ワシントン、カイロ時事】トランプ米大統領は1日、パレスチナ自治区ガザでのイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘を巡り、「イスラエルが60日間の停戦を確定するための必要な条件に同意した」とSNSで発表した。トランプ氏はこの停戦案を「最終案」としており、仲介役のカタールやエジプトを通じてハマスに伝えられる見通し。今後、ハマスが受け入れるかが焦点となる。
 トランプ氏は、60日間の停戦中に恒久的な戦闘終結につなげるために全当事者とやりとりを続けると指摘。「中東地域のためにハマスが受け入れることを望む」と述べ、停戦案の受諾を迫った。また、トランプ氏は記者団から、7日に予定されるイスラエルのネタニヤフ首相との会談までに停戦が実現するか問われ、「来週中に実現することを期待している」と語った。
 ハマス関係者はAFP通信の取材に「恒久的な停戦や占領軍(イスラエル軍)の完全撤退につながるなら、いかなる提案にも同意する用意がある」と表明した。ただ、恒久停戦を拒むイスラエルとは立場の隔たりが大きく、停戦合意に向けた道筋は不透明だ。
 ネタニヤフ氏は6月29日、「まず最初に人質の解放だ」と強調。ガザでハマスが拘束する人質の帰還を求める声がイスラエル国内で高まる中、政府としても人質奪還を最優先とする姿勢を打ち出した。
 ハマスに対する軍事作戦も継続しており、AFPによると、イスラエル軍は7月1日、ガザで作戦領域を拡大したと発表した。その上で、「数十のテロリストを排除し、数百のテロ組織のインフラを破壊した」と説明した。ガザ当局は、この攻撃で26人が死亡したと明らかにした。 
〔写真説明〕1日、イスラエルのパレスチナ自治区ガザ境界付近に展開するイスラエル軍車両(ロイター時事)

(ニュース提供元:時事通信社)