【北京時事】中国外務省は2日、ブラジルのリオデジャネイロで6、7両日に開催される新興国グループ「BRICS」首脳会議に、李強首相が出席すると発表した。習近平国家主席は今回、初めて欠席する。ロシアのプーチン大統領も対面出席を見送ると表明しており、主要国トップがそろって不在となる。
 習政権は米国への対抗軸として、新興・途上国との連携を重視。習氏は2013年の国家主席就任後、BRICS首脳会議に全て出席してきた。中国外務省の毛寧報道局長は、2日の記者会見で「各国との戦略的関係を強固にし、多国間主義を維持していきたい」と述べたが、習氏欠席の理由は説明しなかった。
 習氏の欠席方針を先月報じた香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、中国側は「日程の不都合」が理由だと説明。同氏が議長国ブラジルのルラ大統領と過去数カ月間に複数回会談していることも一因と伝えていた。習氏は昨年11月、20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に合わせてブラジルを訪問。ルラ氏は今年5月に訪中した際にも習氏と会っている。
 ブラジル側は今回の首脳会議で、中国と国境問題を抱えるインドのモディ首相を公式夕食会に招いている。習氏が「脇役」扱いされるのを中国側が嫌ったとの観測も出ているが、真相は不明だ。
 また、首脳会議最終日の7日は日中戦争の発端となった盧溝橋事件から88年に当たり、中国で式典が行われる。今年は「抗日戦争勝利80周年」の節目で、習政権は関連行事に力を入れている。仮に習氏が7日の式典に出席すれば、14年以来となる。 
〔写真説明〕中国の習近平国家主席=6月17日、アスタナ(カザフスタン大統領府提供)(EPA時事)

(ニュース提供元:時事通信社)