2015/03/20
防災・危機管理ニュース
医療とトラベルセキュリティアシスタンスサービスを全世界の会員企業に提供するインターナショナルSOSは、大型サイクロン「パム」発生後、現地に滞在する会員企業社員を支援するためバヌアツに緊急事態対応チームを派遣した。
緊急事態対応チームは、医療、セキュリティ、ロジスティックスの専門家で構成。駐在員や海外出張者を対象とした医療と安全状況、避難方法を評価するために、3月16日にバヌアツ入りした。
世界中からバヌアツに派遣されている駐在員や海外出張者は約400人。緊急事態対応チームは、首都ポートビラ内の病院をはじめ、現地の医療インフラへの被害を確認後、医療支援の評価にも従事している。現状としては安全な飲料水や食料が不足しており、下痢、麻疹、マラリア、デング熱などの疾患リスクも上がっている。首都ポートビラでは14日から現地当局者による外出禁止令が出され、支援物資の支給が著しく遅れている地域の状況が懸念事項となっている。また、バヌアツだけでなく、フィジー、ソロモン諸島、ツバルなど周辺諸国に駐在員や海外出張者を派遣している会員企業に先行的に支援を提供することを目的として、クライアントリエゾンチームも特設している。
インターナショナルSOSは、支援対策の調整、そして医療搬送およびバヌアツからの緊急退去に備え、シドニーのアシスタンスセンターを拠点とした危機管理チームも設置。今回の緊急支援に加え、太平洋諸島におけるサイクロンの軌道と気象事象を観測し続けている。さらに、インターナショナルSOSでは、これからのバヌアツへの渡航を控え、既にバヌアツに滞在する人も、滞在目的が必須でなければ帰国するように促している。
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