関西電力は22日、原発の新増設に向け、美浜原発が立地する福井県美浜町で地形や地質の調査を行うと発表した。「革新軽水炉」と呼ばれる安全性を高めた次世代原発を想定している。2011年の東日本大震災と東京電力福島第1原発事故以来、国内で原発新増設が具体化するのは初めて。
 関電は今後、地元への概要説明を経て速やかに調査を開始。建設可能と判断すれば、原子力規制委員会に設置許可などを申請する。
 政府は今年2月に閣議決定したエネルギー基本計画で、原発を最大限活用する方針に転換。関電は人工知能(AI)の普及などで拡大する電力需要を見据え、将来的な電力の安定供給確保につなげたい考えだ。
 大阪市内で記者会見した森望社長は、調査について「数年かかる」と指摘。「資源が乏しいこの国において、原子力は必要不可欠」と強調する一方、「(調査の)結果のみで(建設を)判断するものではない」と述べ、次世代炉の開発状況や、巨額投資に向けた事業環境などを総合的に考慮する方針を示した。 
〔写真説明〕関西電力の美浜原発の外観=2024年4月16日、福井県美浜町

(ニュース提供元:時事通信社)