第6回 どうしたら「ERM戦略」を最適化できるか?
協働ツールを活用し、ブラックスワンリスクにも備えよ

鈴木 英夫
慶應義塾大学経済学部卒業。民族系石油会社で、法務部門・ロンドン支店長代行・本社財務課長など(東京・ロンドン)。外資系製薬会社で広報室長・内部監査室長などを務め、危機管理広報・リスクマネジメントを担当(大阪)。現在は、GRC研究所代表・研究主幹、リスクマネジメント&コンプライアンス・コンサルタント(兵庫)。日本経営管理学会会員、危機管理システム研究学会会員。
2025/09/25
新 世界のリスクマネジメントの潮流
鈴木 英夫
慶應義塾大学経済学部卒業。民族系石油会社で、法務部門・ロンドン支店長代行・本社財務課長など(東京・ロンドン)。外資系製薬会社で広報室長・内部監査室長などを務め、危機管理広報・リスクマネジメントを担当(大阪)。現在は、GRC研究所代表・研究主幹、リスクマネジメント&コンプライアンス・コンサルタント(兵庫)。日本経営管理学会会員、危機管理システム研究学会会員。
近年、企業は大規模な混乱に見舞われており、レジリエンス(回復力)の重要性が改めて認識されている。その結果、エンタープライズリスクマネジメント(ERM)は、コンプライアンス対策という側面から、戦略的優位性へと進化を遂げつつある。ERMは、組織全体にわたる幅広い戦略リスク、オペレーショナルリスク、財務リスク、コンプライアンス関連リスクを構造的かつ体系的に評価・管理するアプローチであり、企業が変動に先手を打つための重要な道具になる。
急速に進歩するテクノロジー、変化する規制環境、そしてグローバル市場の相互連携の強化に伴い、リスク情報に基づいた積極的な組織文化が今や不可欠である。リスク管理担当者は、以下の7つの要因を通じて、組織のERMアプローチを強化することができる。
ERMの根幹は、レジリエンスを構築し、リスクを戦略的成長と整合させることだ。これは、組織のリスクプロファイルを理解し、リスク許容度を戦略目標と整合させるというマインドセットから始まる。
リスク情報に基づいたマインドセットは、経営トップから組織全体に浸透させる必要がある。取締役会は、組織のセキュリティを確保するためにリスクに基づく議論を行い、経営陣と協力してERMを組織戦略に統合することが必要だ。経営陣は、リスクを認識する文化を醸成し、従業員にリスク管理の重要性を教育し、積極的なリスクの特定を奨励する必要がある。
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