2015/09/03
防災・危機管理ニュース
東京商工会議所は8月24日、会員企業に対する防災対策に関するアンケート調査結果を公表した。調査期間は7月7日から7月31日まで行われ、回収数は1833社。
調査結果によると、BCP(事業継続計画)の策定率は26.5%。前年度調査の19.1%から上昇したものの、低水準にとどまった。帰宅困難者対策条例の認知度は前年度調査から4.4ポイント上昇して66.4%。しかし、条例の努力義務である「全従業員分の3日分の備蓄」を行っている企業は47.1%で、半分に届かなかった。さらに都が呼びかけている「外部の帰宅困難者向けの10%余分の備蓄」をしている企業は16.9%と、2割に満たなかった。
首都直下地震時に必要な帰宅困難者施設は約92万人分と想定されているが、現在は約19万人分しか確保できておらず大幅に不足している問題で、「災害時に外部の帰宅困難者を受け入れることは難しい」と回答した企業は72.7%にのぼった。受け入れ困難の理由では、「受け入れるスペースがないため」が半数以上を占めた。一方で、「協力する企業」「協力する可能性がある企業」は合わせてわずか6.2%にとどまった。また、「一時滞在施設開設までの間、帰宅困難者を受け入れる可能性がある」とした493社に対し、「災害時の損害賠償責任が事業者に及ばない制度の創設が民間の一時滞在施設の増加に有効か」との質問を投げかけたところ、96%が「有効だと思う」と回答。調査結果では、「民間の協力を得て必要な数の一時滞在施設を早急に確保するため、同制度の創設が強く望まれる」としている。
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