新潟県の花角英世知事は昨年、東京電力柏崎刈羽原発の再稼働を容認する条件として、安全性のさらなる向上など7項目の対応を国に求めた。中でも県民の関心が高いのは、避難路の整備促進だ。国は整備費用の全額負担に応じているが、完了までには10年以上かかるとの見方もあり、整備前の再稼働に不安を訴える声も少なくない。
 同原発から半径5キロ圏内には約2万人、5~30キロ圏内には約40万人が居住。周辺では水害や豪雪、地震などの自然災害が相次いでいる。2022年12月の豪雪では柏崎、長岡両市などの国道で、20キロ以上にわたり車が立ち往生し、解消までに2日を要した。
 県の計画では、同原発から6方向に延びる高速道路や国道について、インターチェンジの追加やバイパス整備のほか、道路改良や耐震補強、のり面対策などを実施する。総額は1000億円程度に上る見込み。
 県は来年度に38カ所で工事に着手するとしており、25年12月補正予算に関連費用約22億6000万円を盛り込んだ。ただ、用地買収が必要な所もあり、全90カ所にも及ぶとされる整備には10年以上かかるとみられる。
 花角知事の判断を追認した同月の県議会では、「県民の安心感につながっていない段階での(再稼働)了解だ」、「10年と言わず、早期の完成を目指してほしい」などの声が上がった。
 花角知事は「通常の事業と異なるペースで迅速に進める必要がある」と強調するが、県の担当者は「土地所有者との交渉も必要になるため、整備の終了時期は未定だ」と話している。 
〔写真説明〕原発事故の避難訓練で、スクリーニングを受ける避難者=2019年11月、新潟県燕市

(ニュース提供元:時事通信社)