2026/03/06
防災・危機管理ニュース
東日本大震災による災害関連死は、2025年末時点で3810人となった。広範囲の地震や津波、東京電力福島第1原発の事故で長期避難を強いられるなど、心身の負担は大きく、関連死はいまだ増加。把握方法など制度面の課題も指摘され、大震災からまもなく15年となる今もなお、政府が掲げる「関連死ゼロ」への道は遠い。
災害関連死を巡っては、そもそも正確な実態把握ができていないことが問題視されている。「災害関連死を考える会」の在間文康弁護士は、「災害弔慰金の申請をして認定された人がカウントされているだけだ」と指摘。申請する遺族がいなければ災害と死因の関連性は審査されないため、在間氏は「弔慰金制度に依存した把握は限界がある」との見解を示す。
申請を受ける自治体側の体制整備も進んでいない。市区町村は医師や弁護士を構成員とする審査会に因果関係の審査を委託するのが一般的だが、内閣府が25年8月に全市区町村に実施したアンケートでは、約6割に当たる1055自治体が、審査会の開催に必要な規定を条例で定めていないことが判明した。
在間氏は東日本大震災の被災地で、審査会の委員を務めた経験などから、弔慰金の申請自体の煩雑さも問題点に挙げる。被災状況などの記入に加え、経過が分かる診断書といった膨大な量の書類をそろえる必要があり、遺族の負担が大きい。
国は、関連死の認定に関する統一基準を示していない。内閣府担当者は「現場で柔軟な判断ができなくなる恐れがある」と説明する。代わりに判断の助けになるよう、遺族らから了解が得られた過去の災害での審査事例や裁判例を公表。今年1月には能登半島地震での例も追加した。
政府公表の南海トラフ巨大地震の被害想定では、関連死は最大約5万2000人に上る。関連死を防ぐには、避難所の環境改善に加え、自宅などで過ごす被災者へのきめ細やかな支援が必須。政府は、自治体の取り組みを後押しするため、体制整備や人材育成を急ぐ。
(ニュース提供元:時事通信社)
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