2018/10/03
ニュープロダクツ

有限責任監査法人トーマツとデロイト トーマツ リスクサービス(以下DTRS)は3日、新たに製薬会社向けの支援サービスを開始すると発表した。厚生労働省が9月25日に公表した「医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドライン」への対応サービスで、医薬品の情報提供資材の作成や営業活動において不適切な行動がないよう、専門チームによる助言など支援を行いコンプライアンスリスクの低減を図る。
2019年4月1日から一部を除き適用されるガイドラインでは、医薬品の販売情報提供活動において経営陣の責任を明確化するほか、自社からの独立性を有する者を含んだ同活動に関する審査・監督委員会や外部からの苦情窓口の設置などが必要となる。また、日報などにより営業活動の記録を残しモニタリングができるようにするほか、虚偽や誇大、誤認させるような表現を防止しなければならない。
トーマツとDTRSでは、販売情報提供活動における組織設計、さらには営業部門の監督や情報提供資材の審査などを行う審査・監督委員会への第三者としての助言提供といった支援を行う。また、モニタリング体制の構築やモニタリングツールの開発・導入についてもシステム開発を行う。
薬剤師や製薬会社の医薬情報担当者(MR)経験者など約40人体制で同事業を実施する。DTRSではIT面での支援を手がけ、モニタリングシステムにおいて、単なる言葉ではなく検索者の求めるものや背景などその言葉の持つ意味を反映させたセマンティックサーチの活用も行う。
3日に東京都千代田区にあるトーマツの八重洲オフィスで行われた発表会で、同社ライフサイエンス事業ユニット長パートナーの仁木宏一氏は患者の情報取得が比較的容易になった環境をあげ、「ガイドラインのみならず、外部環境の変化に対応できないのはリスクであり、企業価値の向上は難しくなる」と説明。クライアントとなる企業と協力し、製薬業界の健全な発展にも努める方針を示した。今年度中に10社程度との契約を目指しており、契約内容はオーダーメイドで価格は内容で変動する。
■ニュースリリースはこちら
https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/about-deloitte/articles/news-releases/nr20181003.html
(了)
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リスク対策.com:斯波 祐介
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