【ワシントン、カイロ、イスタンブール時事】米イスラエルとイランが2週間の停戦で合意した後も、各地で交戦が続いている。イスラエルは8日、レバノンは停戦対象外だとして、イランが支援するイスラム教シーア派組織ヒズボラに対する猛攻撃を実施。当局によると、少なくとも254人が死亡した。
 レビット米大統領報道官は8日、パキスタンの首都イスラマバードで11日にイランとの和平交渉の初会合が開かれ、バンス副大統領らが出席すると発表した。
 イスラエルはレバノン南部や首都ベイルートなどでヒズボラの司令センターなど100カ所以上を同時に攻撃した。イランはこれを「合意違反」と激しく反発し、11日の対米交渉に出席しない可能性も示唆している。
 イランのメディアは、イラン政府が原油輸送の要衝ホルムズ海峡での船舶の航行を再び停止させたと報道。一方、イランの精鋭軍事組織「革命防衛隊」は、ホルムズ海峡の通過を求める全船舶を対象とした指定航路図を公表し、革命防衛隊海軍と調整するよう求めた。
 トランプ米大統領は、公共放送(PBS)のインタビューで「レバノンは停戦合意対象外だ」と主張。SNSへの投稿で、イランとの最終合意に至るまで米軍は周辺にとどまるとし、イランが合意を履行しなければ「かつてないほど大規模で強力な」攻撃を行うと警告した。
 イラン国営メディアは、首都テヘランや中部イスファハンなど各地で防空システムが作動し、爆発音も聞かれたと報じた。また、ペルシャ湾にあるラバン島の製油所が「敵対勢力」による攻撃を受けたとしている。一方、アラブ首長国連邦(UAE)やバーレーンなど湾岸諸国にはイランからの攻撃があり、一部で被害が報告された。
 停戦を仲介したパキスタンのシャリフ首相は8日、「紛争地域の数カ所で停戦違反が報告されている」と指摘し、「すべての当事者に自制を切に要請する」と訴えた。シャリフ氏はレバノンも停戦対象に含まれると説明している。 
〔写真説明〕8日、レバノンの首都ベイルート南郊のダヒエで、イスラエル軍の空爆後に立ち上る黒煙(EPA時事)

(ニュース提供元:時事通信社)