2026/04/20
防災・危機管理ニュース
【ニューヨーク時事】米国で「プライベートクレジット」と呼ばれるノンバンク融資への懸念が高まっている。投資会社がファンドなどの形で募った資金を企業に貸し出し、出資者に高利回りの運用を約束するものだが、融資の質を巡る不安が台頭。2008年のリーマン・ショック前の状況との類似性を指摘する声もある。
融資先は中堅・中小企業で、リスクに伴い運用利回りが高い。リーマン・ショック以降、銀行が規制強化を受け高リスク融資を控える中で急成長した。市場規模は世界で約2兆ドル(約320兆円)に上るとされ、その大半を米国が占める。
問題の発端は、昨秋の米自動車関連企業2社の相次ぐ経営破綻。担保の使い回しなど不正が疑われ、プライベートクレジット市場からも資金調達していた。当時、米金融界のご意見番、金融大手JPモルガン・チェースのダイモン最高経営責任者が悪質な融資先を「ゴキブリ」に例えて「1匹いたらもっといる」と語り、波紋が広がった。
さらに、今年は人工知能(AI)の一層の発展により、ソフトウエア企業のサービスがAIに代替されるとの悲観論が浮上。これまで有望視されていたソフトウエア業界への融資が多いプライベートクレジット・ファンドに不安が飛び火して解約請求が急増し、混乱に拍車が掛かっている。
現状、専門家らは金融システム全体の問題に発展するとはみていない。ただ市場では、ファンド解約の混乱がリーマン・ショック前の状況と似ているとして、「(危機を知らせる)『炭鉱のカナリア』のような局面か?」と警戒する声もある。ニューヨークの日系金融機関の関係者は「実態をつかみにくいことに不安を覚える」と話している。
〔写真説明〕経営破綻した米リーマン・ブラザーズの本社ビル=2008年9月15日、ニューヨーク(AFP時事)
(ニュース提供元:時事通信社)

- keyword
- 米国
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2026/07/14
-
-
AIによるメール監査で悪意なき不正リスクを事前に検知
昨今、企業の不祥事が多発している。不正会計や金銭の着服、独占禁止法で禁止される談合やカルテルなどが発覚することで企業の信用が失墜し、業績悪化にいたるケースが多い。企業の不正を防ぐ方法で有効なのが、社内のメールモニタリング(メール監査)だ。国際訴訟・不正調査のパイオニアであるFRONTEO(東京都港区)は、リーガルテック分野で培ったノウハウから自社開発したAIエンジン「KIBIT(キビット)」をコア技術に、メール監査で企業の不正リスクを検知するサービスを提供する。膨大な量の電子データから、どのように不正を発見し、未然に防ぐのか。代表取締役社長の守本正宏氏に話を聞いた。
2026/07/13
-
-
困難な工場のサイバーセキュリティ強化机上訓練で隠れていた現場力を発掘(参天製薬)
製造業にとって最も避けたい、売上に直結するサイバー攻撃による工場の稼働停止。しかし、セキュリティ対策の導入は工場ならではの困難があり、簡単にはいかない。参天製薬(大阪市北区、伊藤 毅代表取締役社長)は、サプライアーのランサムウェア感染をきっかけに、2017年から国内外の工場のサイバーセキュリティ対策を強化。工場との対話を重ね、着実に進めている。
2026/07/10
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2026/07/05
-
「情シス任せ」「コンサル任せ」では終わる
社会機能の維持に欠かせない業種でサイバーインシデントが相次いでいます。事業停止の影響は一企業のビジネスの域を超えサプライチェーン全体に波及。いまやセキュリティは経営の重要課題です。企業を取り巻くサイバーリスクと求められる対策について、日立ソリューションズの扇健一氏と辻󠄀敦司氏に聞きました。
2026/07/03
-





※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方