2018/10/05
事例から学ぶ

7月の西日本豪雨で大きな被害を受けた岡山県で、河川の洪水や土砂災害に備えて、早くから防災活動に取り組んできた社会福祉法人がある。7月豪雨では、大きな被害にこそ遭わなかったが、防災マニュアルに基づき、降雨量や河川の水位、ダムの放水量などをこまめにチェックし、早期に低層階にいる入所者を高層階に避難させ、また、地域住民や高齢者・障害者も受け入れるなどの対応をした。
岡山県を中心に、障害者医療福祉、知的障害福祉、身体障害福祉、高齢者福祉など8分野の医療福祉サービスを展開する社会福祉法人旭川荘は、岡山市、高梁市、備前市、さらには愛媛県の鬼北町と、計50棟ほどの施設を持ち、1日3000人が利用する大規模な社会福祉法人だ(従業員2230人)。
その本部があるのが、岡山市北区。一級河川・旭川と龍ノ口山の間に挟まれた氾濫平野に、医療福祉センター、障害者福祉施設、高齢者福祉施設、専門学院など全体の7割に相当する30棟以上の施設が集中している。
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