画像を拡大 「ヘルプマーク」(左)と「Don't help mark」

「Don't help mark」=助けないマークを制作しました。ピクトグラムアートによるヘルプマークに対する社会風刺です。デリケートなテーマだからこそ、問題に正面から向き合うきっかけにしてほしいと思いました。

本題に入る前に、まず「ヘルプマーク」の説明をしたいと思います。ヘルプマークとは、東京都が義足や人工関節を使用している方、内部障害や難病の方、または妊娠初期の方など、外見から分からなくても援助や配慮を必要としている方々が、周囲の方に配慮を必要としていることを知らせることで、援助を得やすくなるよう、作成したマークです。

東京都福祉保健局 ヘルプマーク
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shougai/shougai_shisaku/helpmark.html

経済産業省において、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向け、外国人観光客にもより分かりやすい案内用図記号とするため、平成29年7月20日、JIS Z8210 案内用図記号が改正され「ヘルプマーク」も追加されました。
東京都だけでなく、ヘルプマークが全国共通マークになりました。

案内用図記号のJIS 改正 2020年東京オリパラに向け、より円滑な移動を目指して 平成29年7月20日
https://www.mlit.go.jp/common/001288695.pdf

それでは本題に戻しましょう。

数年前、ある知人が私に、まるで当たり前のように「当然、電車の中では席を譲ってくれる人がいますよね」と質問があったので、「誰も、席を譲ってくれません。10回に1回でも席を譲ってもらえたらいい方です」と答えたことがあります。優先席でも譲る人はいません。

そこで、つえをついている人と私、質問者を含む3人で電車に乗ったところ、やはりつえの人は席に座れないので、ずっとドアに寄りかかりながら立っていました。そして席が空いたとき、質問者が空いた席の前に立ちはだかり、つえの人を呼んで座らせていました。下車した後、「本当に席を譲ってくれないんですね」と言われたことがあります。ヘルプマークを付けなくても、つえを使っていたので外見からすぐ分かるはずですが、それでも譲ってくれません。

前から気になっていたので、外見から分からない障害者の方たちに確認したところ、「ヘルプマークを付けていて誰かに席を譲られたりなどメリットはないということでした。逆に、「ヘルプマークを見て変な目で見られた」「家族からヘルプマークを付けないでほしいと言われた」などの厳しい現実をお聞きしました。

皆さんも、目の不自由な方や足が不自由な方なら、外見からすぐ分かるでしょうし、実際にヘルプマークも付けている方を見かけることもあると思います。私は、視覚障害のある方が白杖(はくじょう)のストラップに1個、バックパックに左右1個ずつ、ウエストポーチに1個、合計4個のヘルプマークを付けている人を見かけたことがあります。最近は、高齢者もヘルプマークを付けているのをよく見ます。

さて、「ヘルプマーク・ヘルプカード エピソード集」というものがあります。私は「こんなこと本当にあるの?」って思っていますが、皆さんはどう思いますか?

ヘルプマーク・ヘルプカード エピソード集
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/helpmarkforcompany/lp/episode.html