2018/12/25
安心、それが最大の敵だ
鳥羽伏見の戦い、江戸城への逃避
だが鳥羽・伏見の戦いは徳川軍の敗北に終わった。慶喜は自ら一戦を交えることなく、逃げるように江戸へ帰った。幕府軍は指揮官を失い総崩れとなった。慶喜は新政府軍(西軍)との交渉を幕臣・勝海舟にゆだねた。
幕末の老中格・立花種恭(たちばな たねゆき)の回想によると「いよいよ恭順と決し諸向に達すと、満城の士が泣き出すもあり、落胆するもあり、それはそれは大変な事でした。榎本武揚は満座の中へ突っ立ち上がり、将軍様は腰が抜けたか、恭順するとはと叫び、大久保一翁は榎本は感心な男だと大層に賞賛しましたが、しかしこの中で腰が据わっているのは勝安房(海舟)一人だと言いました」。西軍の東征を迎えて、抗戦か恭順かを議した江戸城での最後の大評定の様子である。痛憤、怒号、涕泣、憤激、悄然の渦巻く中に、毅然として動かざること山の如き勝海舟…(「それからの海舟」半藤一利・参考)。
榎本武揚や大鳥圭介ら主戦派家臣に関しては、彼らが幕府軍を率いて北上し東北各地で転戦して敗北するにまかせ(戊辰戦争)、慶喜自らは謝罪の意を表して恭順・蟄居したのである。確信的決断(倒幕)のもとで行動する薩長討幕派と徳川家臣主戦派とが真っ向から対立する状況のもとでは、慶喜のリーダーシップは分解せざるを得なかった。そのことは慶喜における「変節」の終焉を意味した。つまり政治生命の終焉であった。
安心、それが最大の敵だの他の記事
おすすめ記事
-
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2026/09/15
-
-
-
-
防災は面白くないと広がらない
地震が起きたとき、スマートフォンに通知された情報を頼りに避難を判断することが多いだろう。緊急地震速報の情報から、いまどのように動くべきかを判断できる、そんな身近な危機管理を習慣づけた1 社が、アールシーソリューション(東京都新宿区)だ。2010 年に提供開始したスマートフォンアプリ「ゆれくるコール」は、緊急地震速報を受信できるアプリとして多くのユーザーが利用している。代表取締役の栗山章さんは、数多くのユーザーに防災の重要性を広めてきた一方で、ビジネスとして成り立たせる難しさにも直面してきたという。これまでのサービス開発の経緯や、防災ビジネスへの価値観を聞いた。
2026/09/09
-
被災施設への再入場判断「戻ってはいけない」では解決しない避難後の問題
大地震が発生し、安全な場所へ避難して一息つくと、人々には「ひとまず危険のピークは過ぎた」という根拠なき安心感が芽生える。そして、さまざまな理由で「避難してきた場所に戻りたい」といった気持ちが生じる。しかし、被害がどの程度なら戻ってよいのかについての明確なルールや事例は、どこを探してもあまり見当たらない。 国には応急危険度判定という仕組みや、施設管理者が建物を緊急点検するための指針などもある。が、これらは避難直後の「戻りたいニーズ」に応える仕組みではない。ここに、避難直後の「再入場」という古くて新しい問題がある
2026/09/09
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2026/09/07
-






※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方