2019/02/21
葛西優香の23区防災ぶらり散歩
■ねりま防災カレッジで学び、行動に移す!
ねりま防災カレッジの講座を受けたことがきかっけで、実際に取り組みを進めている福祉事業所もあります。関町・立野地域で防災のネットワークの会を地域内にある福祉関係の事業所、施設の方々が協働で発足されているのです。自分たちの施設だけではできないことも複数の施設で協力して、「できること」を増やすために取り組まれています。
地域内にある福祉施設、児童施設、高齢者施設の約40施設で連携体制を整えられています。地域内の事業所とまずは顔を合わせる機会を年に1回つくるところから実践。
同じ地域内にある福祉施設同士でも日常ではなかなか顔を合わせる機会がありません。日常業務で1日はあっという間に過ぎていきますよね。まずはお互いにどのような事業をしているのか共有し、そこからそれぞれの役割を決めていくとのことです。
地域の住民同士も顔が見える関係性を築くことが大切かもしれないですね。
「私は、看護師をしています」「私は、助産師です」「私は仕事はしていないので、昼間、家にいます。お子さんのお迎えなら任せてください」「私は体力だけは自信があります。何か重たいものを運ぶ際は声をかけてください」などなど、お互いの特徴や職能を知り合うだけでいざという時に、効率よく助け合える関係性が築けるかもしれませんね。
■受講してからどう行動に移すか…
今回ご紹介したねりま防災カレッジの内容は、福祉事業所で働く方々向けの講習会でした。そこには、実際に携わる人が日常の業務ではなく、「防災」に特化してとるべき行動を考える時間と空間。普段、「考えないと」と思っているけど、後回しになってしまっているかもしれない「防災」について試行錯誤する場がありました。
ねりま防災カレッジに足を運べば、集中して考える時間を得られます。そこで、吸収したことを日常に戻って、一つでも実践してみることで「防災」意識が変化していきそうですね。
そして得たことをどう地域に還元していくか。「ねりま防災カレッジを受講してから、住んでいる地域における防災活動にどのように繋げるのか…というところが難しいところ。個人で受講はするけど、地域で防災活動をするのはまた一つハードルがあると思うので、共助の考えを広めていきたいです」と萩原さん。
どうしたらいいのだろう…と悩んでいるのは、行政の方々も同じ。受講してくださった住民の方の活動の機会を懸命に築こうとされています。
ねりま防災カレッジに行くのはハードルが高いな…と思った方は、「防災学習センター」へ!練馬区には、学校跡施設の校舎を活用して、防災に対する大切なことを学べる施設が常設されています。
■練馬区立防災学習センター
https://www.city.nerima.tokyo.jp/shisetsu/bousai/bousaigaku/bosaigakushucenter.html
住民の方と一緒に防災を考える攻めの企画を様々な手法で考えていらっしゃいますね。
防災学習センターでの見学、そして「興味があるな…」と感じたらねりま防災カレッジの受講、まずはそこから始めてみませんか。
(了)
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