写真:shutterstock

ポラリスの攻撃 パート1

8月29日 木曜日 午後3時59分 ニュージャージー州 ブリガンティン沖の大西洋上

夏の終わり8月の最終週である。ブリガンティン・ビーチは日除けに覆われた人たち、色彩豊かなパラソル、熱い砂の砂掘りに興じる子供たちで賑わっていた。

90海里沖では、60メートルの黒い鋼鉄製のシリンダーが海面からゆっくりとせりあがっていた。パコリアン人民海軍が誇るシンポ級弾道ミサイル潜水艦である“ゴリア(くじら)”には37名のクルーが乗り込んでいた。ステルス航行のテクノロジーを使って、そして多少の幸運もあって、艦長はゴリアをアメリカ本土への射程内に忍び込ませることに成功していた。

海面下すれすれのところで艦長はエンジンの停止を命じる。艦長は受話器をとり短いやり取りをした後、電話台に戻り、副官の顔をみる。

「準備でき次第、発射」のラジオ音声が船内を流れて船尾の発射室に伝わる。

誰もが手を握り締める中、長い3分間が経過し、スチーム大砲が60トンの飛行体をハッチから海面へ向けて発射するとき、その爆発は艦艇を揺るがす。KN11/Pukguksong-1(ポラリス1)弾道ミサイルは水中から飛び出す。ロケットエンジンは着火し、大空へ向かう。

ポラリスはブリガンティンとその周辺、ビーチヘブン、シーサイドハイツ、ベルマーの上空を北方へ、黒い胴体の上に白く塗られた戦闘マークを輝かせて、高く弧を描く。30秒後、ミサイルが円弧の頂点に達するとモーターが止まる。ミサイルの鼻は下を向き下降を始める。スタテン島のはす向かいの北東、ニューヨーク港、ロウワ―・マンハッタン、配送トラック、市バス、タクシーでごった返す道路へと静かに落下する。

晴れた青空からミサイルが落ちてくる様をツアー・グループとともに歩いているオハイオ州の高校生が目撃する。高校生がそれを指さしてクラスメートに話しかけようとする瞬間、ミサイルはターゲットを発見する。グラウンド・ゼロ(爆心地)は6番街の41丁目、タイムズスクエアから1ブロックの地点である。

衝撃でポラリスに搭載された弾頭は粉々となり、そして世界は永遠にそれまでとは違ったものとなる。

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