2019/03/26
本気で実践する災害食
時系列で野菜の摂取方法を考える
阪神・淡路大震災で被害に遭った神戸市兵庫区の中学校の生徒がアンケートで答えてくれた「自分好みの野菜の備蓄」を参考までにご覧ください。なぜか「生野菜」を備蓄したい人が多いですね。普段から新鮮な野菜を食べているからでしょう。現状では災害時にはかなり難しいですが、いつの日かこの夢が実現するといいですね。

①災害発生の直後→②その後1週間→③約1カ月後→④炊き出しの頃、と時系列に分けて考えてみるのもよいでしょう。
①野菜は不要。ただし野菜ジュースがあるとよい。
②必ず野菜のおかずが必要。1日2回の食事×7日=14個
③必ず野菜が必要。1日2回の食事×1カ月=60個
④比較的長持ちするじゃがいも、にんじん、たまねぎなどが使えます。煮炊きが可能になることを考えて、ごぼう、だいこん、キャベツなどが使えます。野菜たっぷりの汁物の料理や炒め物ができます。電気が回復してくれば電気釜を使って炊き込みご飯などの料理ができます。その時は「炊き込みご飯の素」などを備蓄しておくとよいでしょう。調味料も余分に備蓄しておきます。
私は、被災時に野菜が不足したのが原因で便秘になり、それが慢性化して被災後24年経った今も未だに便秘です。災害は一過性のものではなく体験した者にとって「災い」は一生残るものです。
皆さんが本気で野菜の備蓄をなさることを願っています。ちなみに、野菜を備蓄している自治体は極めて稀(まれ)でこれまで見たことがありません。ただし野菜ジュースを備蓄している自治体はあります。一方、第1回で紹介したように、野菜類を備蓄している企業もあります。素晴らしいですね。
日替わりメニューを備蓄する企業の挑戦
http://www.risktaisaku.com/articles/-/14939
(了)
おすすめ記事
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/08/26
-
-
ゲリラ雷雨の捕捉率9割 民間気象会社の実力
突発的・局地的な大雨、いわゆる「ゲリラ雷雨」は今シーズン、全国で約7万8000 回発生、8月中旬がピーク。民間気象会社のウェザーニューズが7月に発表した中期予想です。同社予報センターは今年も、専任チームを編成してゲリラ雷雨をリアルタイムに観測中。予測精度はいまどこまで来ているのかを聞きました。
2025/08/24
-
スギヨ、顧客の信頼を重視し代替生産せず
2024年1月に発生した能登半島地震により、大きな被害を受けた水産練製品メーカーの株式会社スギヨ(本社:石川県七尾市)。その再建を支えたのは、同社の商品を心から愛する消費者の存在だった。全国に複数の工場があり、多くの商品について代替生産に踏み切る一方、主力商品の1つ「ビタミンちくわ」に関しては「能登で生産している」という顧客の期待を重視し、あえて現地工場の再開を待つという異例の判断を下した。結果として、消費者からの強い支持を受け、ビタミンちくわは過去最高近い売り上げを記録している。一方、BCPでは大規模な地震などが想定されていないなどの課題も明らかになった。同社では今、BCPの立て直しを進めている。
2025/08/24
-
-
-
-
ゲリラ豪雨を30分前に捕捉 万博会場で実証実験
「ゲリラ豪雨」は不確実性の高い気象現象の代表格。これを正確に捕捉しようという試みが現在、大阪・関西万博の会場で行われています。情報通信研究機構(NICT)、理化学研究所、大阪大学、防災科学技術研究所、Preferred Networks、エムティーアイの6者連携による実証実験。予測システムの仕組みと開発の経緯、実証実験の概要を聞きました。
2025/08/20
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方