レガシーとして

顔認証システムを導入することによって出てくる課題は、現場での運用方法(声をかけてサングラスを取ってもらうとか)で対応が可能と思いがちです。しかし、現場で対応できることにも限界があります。その運用方法が本当に実施できるのか、それは簡単にできることなのか、できない場合はどうするのか、といったことを導入前に明確にしておかなければなりません。セキュリティシステムは、設置して終わり、またメンテナンスだけして終わり、ではないのです。新しいセキュリティを導入する時には、現場サイドとどのように補完し合っていけるのかを確実に適切に話し合っておくことがセキュリティ対策の鍵になります。

ALSOKのホームページには、顔認証のメリット・デメリット、また他の生体認証との比較があります。導入によりできることだけではなく、きちんとデメリットも挙げています。ALSOKは現場で対応できる人材も持っていますから、さらにそのデメリットを補完するための方法を一緒に考えてくれるところまでやってくれるのではないでしょうか(ALSOKの回し者ではありません、念のため)。

今後日本で続く大きなイベントには顔認証が導入されることになっています。日本が誇る顔認証技術は世界でもトップを走っています。その精度を深め、多くの信頼を勝ち取るために、できることとメリットばかりを追うのではなく、できないこととデメリットをきちんと整理し、それらの弱点をどのように克服するかまで考え、ユーザーへ説明していくことが必要です。技術だけではなく運用面を考慮した今後の顔認証システムの進歩に期待したいと思います。

(了)