2019/05/20
防災・危機管理ニュース

内閣府と特定非営利活動法人・全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)は20日、「行政・NPO・ボランティア等の三者連携・協働タイアップ宣言」を発表。東京都千代田区の内閣府で山本順三・防災担当大臣と栗田暢之・JVOAD代表理事による調印式が行われた。「全国情報共有会議」を開催し発災時の三者の活動内容の調整を行うほか、平時も意見交換に努める。
内閣府では行政・NPO・ボランティア等の連携と協働のためのガイドブックを、2018年4月に公表している。JVOADは災害時には行政や企業、NPOなど支援団体、ボランティアなど関係者間の活動調整などを行っており、現地での情報共有会議でも中心的な役割を担っていることから、今回、国との宣言に至った。今後、発災時には全国情報共有会議を開催し、行政・NPO・ボランティア間で情報の共有や活動調整を実施。地域ごとでも被災者ニーズや支援活動の全体像を把握したうえで、ボランティア活動の調整などに努める。また、平時も情報交換のほか、各地域でも訓練や研修を行い、体制強化を図る。
調印に先立ち山本担当相は「災害対応において行政の活動にも限界があり、ボランティアが行政の手の届かないところまで対応してくれている。しかし情報共有をどうやっていくかは大事で、連携していきたい」と語った。栗田代表はボランティア同士やNPOの横のつながりの重要さを述べたうえで、災害に対し「行政や(ボランティアセンターを運営する)社会福祉協議会と共に対処していきたい」と語った。
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
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