2016/07/08
アウトドア防災ガイド あんどうりすの『防災・減災りす便り』
それでも楽しい川遊び!
でもね。安全な場所でこのホワイトウォーターフローティングポジションで流されるの、すごく楽しいのです。各地の人気アウトドアアクティビティになっているくらいです!
また、ロープの投げ方と助けてもらうときのロープのつかみ方、それも練習していただければと思います。

「水の安全ハンドブック」によると、平成15年〜26年までの子どもの場所別水死者総数をみると、河川がダントツの46.3%になっています。となれば、川の対策ができれば毎年の死者数は必ず減らせるのです。

最後に、このところ、とっても質問が多いことをひとつ。学校で「ウイテマテ」を練習したので、「川でもライフジャケットがなくても大丈夫なんですよね」という質問が・・・。
背浮きによる「ウイテマテ」の説明はこちら。
これだけ書いたので、みなさんは、川でライフジャケットが必須っておわかりですよね。上記サイトの中でウイテマテを提案された水難学会会長の斎藤秀俊さんのコメントも「子どもには最初から救命胴衣を着せておくとよい」とあります。
ウイテマテは何も持っていなかった時の最後の救命手段として、是非とも知っておいて欲しいですが、最初から川に行くなら、ライフジャケットをつけなければいけません。なにせ、川では浮いていられないところがあるのですから。ウイテマテを習ったからといって、ライフジャケットをつけなくていいなんて誰も言ってませんよーー!!!
前述の藤原尚雄さんによると、「湖、池など水が流れていない場所で、周りに助けがある場合は有効かもしれませんが、流れがある場所では、物理的な要因から補助浮力なしで浮いていることは困難を極めます」とのことでした。

河川財団「水辺の安全ハンドブック」P11から転載(資料提供:河川財団)
もうひとつ。川で足首あたりの深さしかない川でもライフジャケットを使うべきかどうかもよくある質問です。
この質問に対し、藤原さんは「その人の能力や環境にもよるので、足首ぐらいの水深でもライフジャケットを着用すべきとは一概には言えません。が、しかし、今いる場所が浅くても、プールや人工河川と違って、川は水深が一定ではありません。急に深みがある場合もありますし、大人の膝下ぐらいの水深で子供が溺死したケースも少なくありません。リバースポーツの指導者や河川救助のプロたちのように業務として川で活動する者は、水深の如何(いかん)に関わらず、「『水がある環境では必ずライフジャケットを着用』と肝に銘じ実践しています」と話しています。
いかがでしたか?川ではライフジャケットを必ず着用して、ホワイトウォーターフローティングポジションを覚えて、今年こそ事故がなかった!という年にしましょう!楽しい水遊びになりますように♪
(了)
アウトドア防災ガイド あんどうりすの『防災・減災りす便り』の他の記事
おすすめ記事
-
-
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/07/01
-
-
-
「ビジネスイネーブラー」へ進化するセキュリティ組織
昨年、累計出品数が40億を突破し、流通取引総額が1兆円を超えたフリマアプリ「メルカリ」。オンラインサービス上では日々膨大な数の取引が行われています。顧客の利便性や従業員の生産性を落とさず、安全と信頼を高めるセキュリティ戦略について、執行役員CISOの市原尚久氏に聞きました。
2025/06/29
-
-
-
柔軟性と合理性で守る職場ハイブリッド勤務時代の“リアル”な改善
比較サイトの先駆けである「価格.com」やユーザー評価を重視した飲食店検索サイトの「食べログ」を運営し、現在は20を超えるサービスを提供するカカクコム(東京都渋谷区、村上敦浩代表取締役社長)。同社は新型コロナウイルス流行による出社率の低下をきっかけに、発災時に機能する防災体制に向けて改善に取り組んだ。誰が出社しているかわからない状況に対応するため、柔軟な組織づくりやマルチタスク化によるリスク分散など効果を重視した防災対策を進めている。
2025/06/20
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方