2019/09/04
防災・危機管理ニュース
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東京都心部唯一の基幹災害拠点病院である都立広尾病院は3日、今年度総合防災訓練を実施。院内関係者約400人に加え、他の都立病院など院外から10人、看護学生52人が参加。基幹災害拠点病院は他の災害拠点病院への教育や研修を行うという役割もあり、139人の見学者も訪れた。首都直下地震を想定し、災害対策本部の他に治療のための前線指揮所も置かれ、治療以外にも情報処理などが行われた。
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3日の午後1時30分ごろに都内で直下型の地震が起こり、最大震度7、広尾病院のある渋谷区内のほとんどで震度6強の想定。今年度は実施前に見学者向けのワークショップも行い、狙いなどを説明した。同時刻に緊急地震速報を知らせる館内アナウンスが流れ、直後に本館2階の特別会議室に災害対策本部を設営した。参加者には左右切り離し式のA3の紙が配られており、左側は災害対策本部に提出する被害報告書、右側は災害対策本部で得た被害状況を記し、部署に持ち帰る様式。ホワイトボードや壁には情報整理のために使われ、報告を基に付せんに情報が書かれ、緊急度と重要度で示したマトリクス図にその付せんが貼られた。
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救急外来に前線指揮所が置かれた。その近くの屋外でトリアージを行い、重傷者を優先し搬送。前線指揮所でも壁に時系列で報告書が書かれ、処置などの訓練を実施した。田尻康人副院長は、「(設定される)災害の状況は参加者には知らされておらず、その場での判断を求めるぶっつけ本番なのでうまくいかないこともある」とし、結果を精査しレベルアップにつなげることの重要性を語った。また、3日分の燃料や自家発電施設、水なども確保しているという。
8月30日に発表された整備基本計画案によると、広尾病院は2025年度から解体に入り建て替え。新病院の完全なオープンは2031年度を予定している。田尻副院長は「建て替え中も災害拠点病院としての機能をできるだけ維持する。災害医療対策施設であるレドマスも建て替えの対象だが、仮設のものを造る」とした。併設している看護学校から解体し、まずは病院機能のない施設の土地に病院機能の移転を進めていくローリング方式で行う方針となっている。
■整備基本計画案の詳細はこちら
http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2019/08/30/08.html
■関連記事「広尾病院、現在地建て替えで決着」
https://www.risktaisaku.com/articles/-/3349
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
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