2016/09/16
ニュープロダクツ
暗い場所でも色情報を撮影・表示できる
株式会社日立製作所(本社:東京都千代田区)と株式会社日立産業制御ソリューションズ(本社:茨城県日立市、東京都台東区)は14日、可視光によるカラー映像と赤外線による白黒映像を重ね合わせることで、赤外線を有効活用しながら同時に可視光による色情報も失わずに暗い場所*1の撮影・表示ができる、屋外設置に対応したネットワークカメラ「DI-CB322LEW」を10月から販売すると発表した。全世界共通モデルとして、順次海外でも販売を開始する。
*1 夜間、街灯などの光があり、人の目で対象物の色情報を認識できる程度の明るさがある場所。
公園や道路、駐車・駐輪場など、部分的にしか光の当たらない暗い場所での視認性を向上させ、可視光による色情報を残しつつ、可視光の弱いところは赤外線の輝度情報を重ねて映像を撮影・表示する「Color-IR技術」を搭載。部分的にしか光の当たらない暗い場所でも、色情報を失わずに映像を撮影・表示できる。明かりの少ない夜間を想定したNight(Color)モードでは、可視光が当たっている左奥部の自動車をカラーで撮影・表示するとともに、画面手前の暗部は、赤外線により白黒映像で人を認識できる。
高い防塵防水性能も実現している。IEC(国際電気標準会議)とJIS(日本工業規格)によって定められた防塵防水規格IP66*2に準拠し、街区、公園、駐車場、通学路、駅、道路・交差点など屋外に設置可能だ。
*2 JIS規格(JIS C 0920:2003)では、IP66を次のように定義している。
防塵性:耐じん形(じんあいの侵入があってはならない)
防水性:暴噴流に対して保護する(あらゆる方向からのノズルによる強力なジェット噴流水によっても有害な影響を及ぼしてはならない)
高画質・長時間記録を実現するため、FHD(1920×1080ピクセル)サイズの映像をD1(704×480ピクセル)サイズ、HD(1280×720ピクセル)サイズに縮小・圧縮するモードを搭載している。高圧縮技術によって、高精細な映像をより少ない容量で伝送・記録し、超解像処理によって高画質・長時間記録が可能になる。
電動で焦点距離を変化させることができる可変焦点レンズも搭載。従来モデルでは、カメラ設置時に手動によるピントの調整が必要だったが、カメラ設置後、パソコンまたはデジタルレコーダーにより、容易に遠隔からピント調整を行うことができる。
また、屋外に設置する場合にハウジングなどのオプション品が必要だったが、これが不要となり、設置性が向上した。
警察庁が2000年に制定、2014年8月に改定した「安全・安心まちづくり推進要綱」で、安全・安心なまちづくりの推進に係る資機材として防犯カメラが追加され、カメラの撮影映像は監視・防犯の観点から安全・安心な生活に欠くことができないものとなっている。従来の監視・防犯カメラは、可視光によるカラー映像のみでは光が当たらない暗い場所を撮影できないことや、赤外線の白黒映像のみでは色情報を判別できないことから、部分的にしか光の当たらない暗い場所でも色情報を保持したまま撮影できる技術が求められていた。
(了)
ニュープロダクツの他の記事
おすすめ記事
-
-
-
3線モデルで浸透するリスクマネジメントコンプライアンス・ハンドブックで従業員意識も高まる【徹底解説】パーソルグループのERM
「はたらいて、笑おう。」をグループビジョンとして掲げ、総合人材サービス事業を展開するパーソルグループでは、2020年のグループ経営体制の刷新を契機にリスクマネジメント活動を強化している。ISO31000やCOSO-ERMを参考にしながら、独自にリスクマネジメントの体制を整備。現場の業務執行部門(第1線)、ITや人事など管理部門(第2線)、内部監査部門(第3線)でリスクマネジメントを推進する3線モデルを確立した。実際にリスクマネジメント活動で使っているテンプレートとともに、同社の活動を紹介する。
2024/07/23
-
インシデントの第一報を迅速共有システム化で迷い払拭
変圧器やリアクタなどの電子部品や電子化学材料を製造・販売するタムラ製作所は、インシデントの報告システム「アラームエスカレーション」を整備し、素早い情報の伝達、収集、共有に努めている。2006年、当時社長だった田村直樹氏がリードして動き出した取り組み。CSRの一環でスタートした。
2024/07/23
-
「お困りごと」の傾聴からはじまるサプライヤーBCM支援
ブレーキシステムの開発、製造を手掛けるアドヴィックスは、サプライヤーを訪ね、丁寧に話しを聞くことからはじまる「BCM寄り添い活動」を2022年度から展開している。支援するのは小規模で経営体力が限られるサプライヤー。「本当に意味のある取り組みは何か」を考えながら進めている。
2024/07/22
-
-
危機管理担当者が知っておくべきハラスメントの動向業務上の指導とパワハラの違いを知る
5月17日に厚生労働省から発表された「職場のハラスメントに関する実態調査報告書」によると、従業員がパワハラやセクハラを受けていると認識した後の勤務先の対応として、パワハラでは約53%、セクハラでは約43%が「特に何もしなかった」と回答。相談された企業の対応に疑問を投げかける結果となった。企業の危機管理担当者も知っておくべきハラスメントのポイントについて、旬報法律事務所の新村響子弁護士に聞いた。
2024/07/18
-
基本解説 Q&A 線状降水帯とは何か?集中豪雨の3分の2を占める日本特有の現象
6月21日、気象庁が今年初の線状降水帯の発生を発表した。短時間で大量の激しい雨を降らせる線状降水帯は、土砂災害発生を経て、被害を甚大化させる。気象庁では今シーズンから、半日前の発生予測のエリアを細分化し、対応を促す。線状降水帯研究の第一人者である気象庁気象研究所の加藤輝之氏に、研究の最前線を聞いた。
2024/07/17
-
-
災害リスクへの対策が後回しになっている円滑なコミュニケーション対策を
目を向けるべきOTリスクは情報セキュリティーのほかにもさまざま。故障や不具合といった往年のリスクへの対策も万全ではない。特に、災害時の素早い復旧に向けた備えなどは後回しになっているという。ガートナージャパン・リサーチ&アドバイザリ部門の山本琢磨氏に、OTの課題を聞いた。
2024/07/16
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方