「ミラクルボックス」で作った簡易ベッド。縦180cm、横90cmで、親子が寝ても十分な耐久性がある

防犯機器・防災用品の製造・販売を手がける眞照(本社:愛知県名古屋市)は、災害時にベッドやテーブル、椅子など5つの用途に使える多機能段ボール箱「ミラクルボックス」を開発。10月1日から全国の企業や自治体に向け発売する。価格は8箱分に付属品がついた1セットで税別1万2000円(2017年3月末日までのトライアル価格)。災害時、避難所などの住環境を向上させるのが狙い。2017年8月までに3000セットの販売を計画している。

セット内容は4種類のパーツ、マジックテープ、布団すべり止めシート、軍手。1つの箱は縦45cm、横45cm、高さ35cm

避難所では体育館などの固い床の上で食事や睡眠することを強いられるため、特に足腰の弱い高齢者には大きな苦痛となる。また、避難所の居住スペースには棚などの整理収納設備がないため、さまざまな生活用品が混在するほか、避難所の入り口では履物が散乱。これらのことが全て被災者にとっては大きな苦痛になるという。

「ミラクルボックス」は段ボールの特質を利用し、テーブル、椅子、ベッド、棚、靴箱の5種類の簡易家具を工具不要で組み立てることができる。組み立ての時間は10分から15分ほどで、パーツには設計図がなくても組み立て方が分かるようにアルファベットで目印をつけた。体重がかかる部分にはクッションとなる中敷きを備え、ベッドとして利用する場合には箱どうしを固定するマジックテープや、布団のずれ落ちを防ぐための滑り止めシートも付属する。ベッドの場合は縦180cm、横90cmで親子で寝ても十分な耐久性がある。

4箱でテーブル、1箱で椅子になる
仕切り版を活用し、外箱を靴箱や物入れとして使用できる
棚として使用しているところ

同社は東日本大震災などの災害時の避難所の実態を調査し、14年にはプライバシー保護対策としてダンボールパーテーション「D3(ディースリー)」を開発。「ミラクルボックス」と合わせて使うことで、避難所の生活環境の改善を目指す。販売代理店も募集中だ。

(了)