2016/09/29
ニュープロダクツ
防犯機器・防災用品の製造・販売を手がける眞照(本社:愛知県名古屋市)は、災害時にベッドやテーブル、椅子など5つの用途に使える多機能段ボール箱「ミラクルボックス」を開発。10月1日から全国の企業や自治体に向け発売する。価格は8箱分に付属品がついた1セットで税別1万2000円(2017年3月末日までのトライアル価格)。災害時、避難所などの住環境を向上させるのが狙い。2017年8月までに3000セットの販売を計画している。
避難所では体育館などの固い床の上で食事や睡眠することを強いられるため、特に足腰の弱い高齢者には大きな苦痛となる。また、避難所の居住スペースには棚などの整理収納設備がないため、さまざまな生活用品が混在するほか、避難所の入り口では履物が散乱。これらのことが全て被災者にとっては大きな苦痛になるという。
「ミラクルボックス」は段ボールの特質を利用し、テーブル、椅子、ベッド、棚、靴箱の5種類の簡易家具を工具不要で組み立てることができる。組み立ての時間は10分から15分ほどで、パーツには設計図がなくても組み立て方が分かるようにアルファベットで目印をつけた。体重がかかる部分にはクッションとなる中敷きを備え、ベッドとして利用する場合には箱どうしを固定するマジックテープや、布団のずれ落ちを防ぐための滑り止めシートも付属する。ベッドの場合は縦180cm、横90cmで親子で寝ても十分な耐久性がある。
同社は東日本大震災などの災害時の避難所の実態を調査し、14年にはプライバシー保護対策としてダンボールパーテーション「D3(ディースリー)」を開発。「ミラクルボックス」と合わせて使うことで、避難所の生活環境の改善を目指す。販売代理店も募集中だ。
(了)
ニュープロダクツの他の記事
おすすめ記事
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2025/12/05
-
競争と協業が同居するサプライチェーンリスクの適切な分配が全体の成長につながる
予期せぬ事態に備えた、サプライチェーン全体のリスクマネジメントが不可欠となっている。深刻な被害を与えるのは、地震や水害のような自然災害に限ったことではない。パンデミックやサイバー攻撃、そして国際政治の緊張もまた、物流の停滞や原材料不足を引き起こし、サプライチェーンに大きく影響する。名古屋市立大学教授の下野由貴氏によれば、協業によるサプライチェーン全体でのリスク分散が、各企業の成長につながるという。サプライチェーンにおけるリスクマネジメントはどうあるべきかを下野氏に聞いた。
2025/12/04
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/12/02
-
-
-
-
-
-
目指すゴールは防災デフォルトの社会
人口減少や少子高齢化で自治体の防災力が減衰、これを補うノウハウや技術に注目が集まっています。が、ソリューションこそ豊富になるも、実装は遅々として進みません。この課題に向き合うべく、NTT 東日本は今年4月、新たに「防災研究所」を設置しました。目指すゴールは防災を標準化した社会です。
2025/11/21
-
サプライチェーン強化による代替戦略への挑戦
包装機材や関連システム機器、プラントなどの製造・販売を手掛けるPACRAFT 株式会社(本社:東京、主要工場:山口県岩国市)は、代替生産などの手法により、災害などの有事の際にも主要事業を継続できる体制を構築している。同社が開発・製造するほとんどの製品はオーダーメイド。同一製品を大量生産する工場とは違い、職人が部品を一から組み立てるという同社事業の特徴を生かし、工場が被災した際には、協力会社に生産を一部移すほか、必要な従業員を代替生産拠点に移して、製造を続けられる体制を構築している。
2025/11/20






※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方