2019/10/23
セキュリティ文化の醸成と意識の高度化 ~2020年に向けて私たちにできること~
ANAの対応
伊丹空港ではX線検査担当者はナイフを発見し、目の前に出されたけれど開披(荷物の中身を確認する)担当者が旅客へ返却してしまいました。羽田空港ではそもそもX線検査担当者がナイフを発見することができませんでした。この件については「保安検査会社が~」とか「保安検査員は~」とか、すでにいろいろと語っている方がいらっしゃいますのでそちらにお任せすることにして、再発防止策についてはANAがレポートの中に記載しています。以下、その内容です。
【ANA 全就航空港】
以下の再発防止策を即日で実施いたしました。
(1)事象の内容と重大性の周知
(2)空港保安責任者による緊急連絡体制の再点検
(3)上記のような事象が発生した場合の対応手順の再徹底
【全委託先警備会社】
以下の再発防止策を、大阪伊丹空港は即日、羽田空港は10月1日に実施し、また10月2日には全委託先警備会社に対し、速やかに実施するよう指示いたしました。
(1)事象の内容と重大性の周知
(2)機内持込制限品に少しでも疑義がある場合の開被検査の再徹底
(3)機内持込制限品を検出した場合の対応手順の再徹底
(出典:https://www.ana.co.jp/group/safe/pdf/report20191008.pdf)
人が対応する以上、ミスは起こります。人ではなく機器やシステムによる対応でも、バグは起こります。こうした事案を発生させないための防止策に加え、発生してしまった後の対応を関係者全員がしっかりと理解しておくことまでがセキュリティ対策ですから、この内容を本当に徹底していただきたいですし、ANAならできるはずと期待しています。
セキュリティ文化の醸成と意識の高度化 ~2020年に向けて私たちにできること~の他の記事
- ダメなものはダメ、伊丹のナイフ騒動
- 危険人物抑止にバックグラウンドチェック
- バックグラウンドチェックで危険関係者排除
- 緊急事態に遭遇(2)病気の単語
- 緊急事態に遭遇、その時あなたの判断は
おすすめ記事
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年4月23日配信アーカイブ】
【4月23日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:南海トラフ地震臨時情報を想定した訓練手法
2024/04/23
-
-
-
2023年防災・BCP・リスクマネジメント事例集【永久保存版】
リスク対策.comは、PDF媒体「月刊BCPリーダーズ」2023年1月号~12月号に掲載した企業事例記事を抜粋し、テーマ別にまとめました。合計16社の取り組みを読むことができます。さまざまな業種・規模の企業事例は、防災・BCP、リスクマネジメントの実践イメージをつかむうえで有効。自社の学びや振り返り、改善にお役立てください。
2024/04/22
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年4月16日配信アーカイブ】
【4月16日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:熊本地震におけるBCP
2024/04/16
-
調達先の分散化で製造停止を回避
2018年の西日本豪雨で甚大な被害を受けた岡山県倉敷市真備町。オフィス家具を製造するホリグチは真備町内でも高台に立地するため、工場と事務所は無事だった。しかし通信と物流がストップ。事業を続けるため工夫を重ねた。その後、被災経験から保険を見直し、調達先も分散化。おかげで2023年5月には調達先で事故が起き仕入れがストップするも、代替先からの仕入れで解決した。
2024/04/16
-
工場が吹き飛ぶ爆発被害からの再起動
2018年の西日本豪雨で隣接するアルミ工場が爆発し、施設の一部が吹き飛ぶなど壊滅的な被害を受けた川上鉄工所。新たな設備の調達に苦労するも、8カ月後に工場の再稼働を果たす。その後、BCPの策定に取り組んだ。事業継続で最大の障害は金属の加温設備。浸水したら工場はストップする。同社は対策に動き出している。
2024/04/15
-
動きやすい対策本部のディテールを随所に
1971年にから、、50年以上にわたり首都圏の流通を支えてきた東京流通センター。物流の要としての機能だけではなく、オフィスビルやイベントホールも備える。2017年、2023年には免震装置を導入した最新の物流ビルを竣工。同社は防災対策だけではなく、BCMにも力を入れている。
2024/04/12
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方