2016/12/28
防災・危機管理ニュース

「渋滞予報」は、過去データの積み重ねだ。簡単に言うと、過去2年分の道路の渋滞状況と、「直近の日付と曜日が同じになる年」の計3年分を重ね合わせて算出するのが基本パターン。道路状況は曜日と休日の組み合わせに大きく左右されるためだ。
半年先まで予報しており、今現在でもホームページやアプリを起動すれば年末年始の渋滞状況を確認できるので、ぜひチェックしてほしい。渋滞を避けるには、なんといっても渋滞発生のピーク日や時間帯をずらしてもらうのが最も有効だからだ。

外山氏は「例えば木更津市では、渋滞が発生する夕方に車で帰るのではなく、夕食のクーポン券を発行することで夜まで市内にとどまってもらい、地域振興と組み合わせた渋滞軽減に努めている。ちょっとしたアイデアで渋滞のピークを一人ひとりが回避すれば、渋滞は軽減されるはず」と強調する。

■土日祝日限定ヨル得アクアライン渋滞すいすいプロジェクト
(NEXCO東日本:「ドラぷら」HP)
http://www.driveplaza.com/sapa/event_campaign/detail/aqualinepro-yorutoku2016.html
また、同社ではドライバーに伝えたい広報情報に加え、今年から交通状況に関する情報もTwitterで発信している。もちろんドライバーが随時チェックするわけにはいかないが、家族で移動している場合はぜひ助手席に座った方が、運転アシストに活用してもらいたい。

高速道路を遠回りした場合でも、料金は起終点間の最安値になる可能性も
昨年9月、国土交通省は首都圏の高速道路料金の改正案である「首都圏の新たな高速道路料金に関する具体方針(案)」を発表。2016年4月1日から施行されているのをご存じだろうか。この料金改正の大きなポイントの一つは、「ETC車の場合、出発地から目的地まで、どの経路を利用しても、起終点間の最短距離の料金となる」というところだ。これは渋滞解消のための背策の一つで、簡単に言うと「高速道路を遠回りした場合でも、料金は起終点間の最安値になる」というものだ。正確には以下のページをご確認いただきたい。
■首都圏の新たな高速道路料金
http://www.driveplaza.com/info/detail/syutoken_seamless/fee.html
都心部の渋滞等の課題に対して、圏央道や外環道の利用を促すために、ETC車の場合、出発地から目的地まで、どの経路でご利用いただいても、起終点間の最短距離の料金となります。(当面は料金体系の整理・統一における激変緩和措置を考慮し、最安値とします。)
ただし、首都高速経由の料金の方が高い場合には、首都高速経由で走行しても料金は引下げません。(走行経路どおりの料金になります。)
(NEXCO東日本HP:「ドラぷら」より)
最後は何といっても「安全運転」!
そして最後のポイントは、当たり前かもしれないが「安全運転」だ。年末年始などの交通混雑期は、高速道路上での事故の約半分が渋滞時に発生しているという。
外山氏は、「事故を起こさないためには、心と時間にゆとりのある「安全運転」が一番。しかし渋滞に巻き込まれると、心に余裕がなくなり、注意力も散漫になる。この年末年始はぜひ賢く渋滞を回避し、安全運転で良い1年のはじまりを迎えてほしい」と話している。
(了)
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2025/05/05
-
企業理念やビジョンと一致させ、意欲を高める人を成長させる教育「70:20:10の法則」
新入社員研修をはじめ、企業内で実施されている教育や研修は全社員向けや担当者向けなど多岐にわたる。企業内の人材育成の支援や階層別研修などを行う三菱UFJリサーチ&コンサルティングの有馬祥子氏が指摘するのは企業理念やビジョンと一致させる重要性だ。マネジメント能力の獲得や具体的なスキル習得、新たな社会ニーズ変化への適応がメインの社内教育で、その必要性はなかなかイメージできない。なぜ、教育や研修において企業理念やビジョンが重要なのか、有馬氏に聞いた。
2025/05/02
-
-
備蓄燃料のシェアリングサービスを本格化
飲料水や食料は備蓄が進み、災害時に比較的早く支援の手が入るようになりました。しかし電気はどうでしょうか。特に中堅・中小企業はコストや場所の制約から、非常用電源・燃料の備蓄が難しい状況にあります。防災・BCPトータル支援のレジリエンスラボは2025年度、非常用発電機の燃料を企業間で補い合う備蓄シェアリングサービスを本格化します。
2025/04/27
-
自社の危機管理の進捗管理表を公開
食品スーパーの西友では、危機管理の進捗を独自に制作したテンプレートで管理している。人事総務本部 リスク・コンプライアンス部リスクマネジメントダイレクターの村上邦彦氏らが中心となってつくったもので、現状の危機管理上の課題に対して、いつまでに誰が何をするのか、どこまで進んだのかが一目で確認できる。
2025/04/24
-
-
常識をくつがえす山火事世界各地で増える森林火災
2025年、日本各地で発生した大規模な山火事は、これまでの常識をくつがえした。山火事に詳しい日本大学の串田圭司教授は「かつてないほどの面積が燃え、被害が拡大した」と語る。なぜ、山火事は広がったのだろうか。
2025/04/23
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/04/22
-
帰宅困難者へ寄り添い安心を提供する
BCPを「非常時だけの取り組み」ととらえると、対策もコストも必要最小限になりがち。しかし「企業価値向上の取り組み」ととらえると、可能性は大きく広がります。西武鉄道は2025年度、災害直後に帰宅困難者・滞留者に駅のスペースを開放。立ち寄りサービスや一時待機場所を提供する「駅まちレジリエンス」プロジェクトを本格化します。
2025/04/21
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方