2016/12/28
防災・危機管理ニュース

よく高速道路の電光掲示板で「速度低下に注意」や、「速度回復願います」といった表示を見ることはないだろうか。これは車両がサグに差し掛かった時に、無意識に速度が低下しないように注意しているものなのだ。
ただし、正直なところ「速度低下に注意」と言われると「速度を落とさなければいけないのか?」と考えてしまう読者も多いのではないだろうか。しかし高速道路を預かる会社として、スピードアップをむやみに助長するような表現をすることは難しいことも理解できる。現在のところ、これが精いっぱいの表現なのだろう。
外山氏は「サグ部に差し掛かったら、速度低下を起こさないように走行してほしい。そのために、他にもさまざまな仕掛けをしています」とする。
例えば、神奈川県の川崎浮島JCT(ジャンクション)から千葉県の木更津金田ICを結ぶ東京湾アクアラインは、ほとんどがトンネルの中であるうえにほとんどが上りと下りの勾配で成り立っている。当然、緩い勾配から急な勾配に差し掛かった時に速度は低下するが、そこに同社が設置したのが「ペースメーカーライト(PML)」だ。

トンネル側面のLEDライトを進行方向に順次点灯させる対策で、交通状況に応じて光の流れる速度を切り替えることで、ドライバーに適切な速度を誘導するものだ。PLMを設置したところ、交通量はあがっているにもかかわらず路線全体の渋滞損失時間は2割減少し、平均所要時間は2割(約6分)短縮したという。
「まず、サグのメカニズムをドライバーの皆さんに理解していただくことが大切」(外山氏)
「急がば回れ」?アプリなどを活用して渋滞を回避せよ!

上図のように高崎ICから川口JCTに向かう場合、渋滞の状況により一番遠回りの【ルート3】北関東道経由のほうが関越道を直進する【ルート1】よりも30分速いという事例が観測されている(2016年1月2日(土)10時~14時に高崎ICを通過した事例)。
外山氏は「NEXCO東日本が提供するアプリ「ドラぷら」やホームページでは、半年先までの道路の渋滞予測を発表しているほか、料金についても最新の情報が掲載されています。ぜひチェックして、年末年始の渋滞緩和にご協力をお願いしたい」とする。
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