2017/02/17
ニュープロダクツ

KDDI は15日、鉄道会社の運転士が動画で自然災害を疑似体験する「VR (仮想現実) による災害対策訓練ソリューション」の提供を16日から開始すると発表した。共同で開発をしたJR西日本は4月以降、順次導入する。運転士が担当している路線の実際の映像を使用しているのでリアルな走行感があるほか、想定浸水深や難誘導に関わる設備の確認や震災発生時の津波が起こる様子を現実に近い感覚で体験できる。KDDIによると、鉄道会社の運転士を対象にVR機器と実写VR動画コンテンツを使った自然災害対策訓練の商用化事例としては日本初だという。
今回導入するのは、JR西日本の紀勢線、和歌山県の串本駅~新宮駅の43km。南海トラフ巨大地震 やそれに伴う津波発生などに備え、同社が対策を進める区間となる。運転席から見た実際の景色から電車内の風景まで、360度撮影した高解像度の動画を使用する。
訓練者はアクセルとブレーキにあたるコントローラーを両手に持ち、列車の停止や移動の操作をする。画面上に「標高」や「キロ程」が表示され、数字は走行に応じて変化する。停止した位置と連動したJR西日本オリジナルの「津波避難アプリ」をVR画面上に表示することで、停止地点から最寄りの出口や避難場所を確認することができる。
VR機器セットは5m四方のスペースがあれば設置可能で、持ち運びもできる。訓練に関するデータは、緊急地震速報の鳴動地点やその際の対応などをログとして抽出し残し、次回の訓練に活用できる機能も備えている。
(了)
ニュープロダクツの他の記事
おすすめ記事
-
ランサムウェアの脅威、地域新聞を直撃
地域新聞「長野日報」を発行する長野日報社(長野県諏訪市、村上智仙代表取締役社長)は、2023年12月にランサムウェアに感染した。ウイルスは紙面作成システム用のサーバーとそのネットワークに含まれるパソコンに拡大。当初より「金銭的な取引」には応じず、全面的な復旧まで2カ月を要した。ページを半減するなど特別体制でなんとか新聞の発行は維持できたが、被害額は数千万に上った。
2025/07/10
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/07/08
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2025/07/05
-
-
-
-
-
-
「ビジネスイネーブラー」へ進化するセキュリティ組織
昨年、累計出品数が40億を突破し、流通取引総額が1兆円を超えたフリマアプリ「メルカリ」。オンラインサービス上では日々膨大な数の取引が行われています。顧客の利便性や従業員の生産性を落とさず、安全と信頼を高めるセキュリティ戦略について、執行役員CISOの市原尚久氏に聞きました。
2025/06/29
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方