2017/06/28
防災・危機管理ニュース

文部科学省が中心となっている政府の地震調査研究推進本部は27日、「新総合基本施策レビューに関する小委員会」の第3回会合を開催。現行の地震調査研究の原則となっている「新総合基本施策」における津波予測などの実績について評価が行われた。
現・総合基本施策である「新総合基本施策」は2009年に策定。2011年の東日本大震災を経て、2012年に改訂された。2012年の改訂では主に海域での津波観測に注力する旨が付加された。次期総合基本施策は2018年度に取りまとめ、2019年度から適用する。このため現・総合基本施策で取り組むべきとされた各分野について、実績の精査や今後の課題発見を行っている。
現・基本施策下では海底地震・津波観測網の「DONET」を南海トラフ地震が懸念される紀伊半島沖に、東日本大震災の起こった東北地方太平洋沖を中心にS-netを整備。海域での津波・地震観測点数は整備前の地震計28点、津波計15点から整備後はそれぞれ229点、216点と10倍近く増加。観測網の海域周辺で発生する地震では陸上の観測点と比較して地震は最大30秒、津波は最大20分早く検知できるようになった。
またGPS波浪計やケーブル式海底水圧計など沖合の津波観測データの活用で、地震発生後最短10分程度で沿岸津波高が予測可能に。全国約1300 カ所に設置された電子基準点のデータをリアルタイムで常時解析する「REGARD」の導入でモーメントマグニチュード(Mw)8.0を超える巨大地震を概ね3分後に規模を推定できるようになった。
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
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