2020/05/29
日本企業が失敗する新チャイナ・リスク
■一律に要求されてしまった削減目標
2020年今年に入り、中央政府生態環境局はさらなる「揮発性有機化合物」に関する管理政策通達を出しました。その理由は、前回発布した第一弾削減政策の実行結果が全体的によろしくなかったためでした。
少し専門的な話となりますが、施策がうまく進まなかった理由には「無組織排気」(排気を計画的かつシステム化して排出する手法)の管理不足、汚染防止・処理装置の能力不足、常時モニタリング設備の管理不足、日常運営の管理徹底不足、それに加え揮発性物質を含有する原材料や材料自体の使用回避不足等の理由をあげることができます。
この企業は第一弾政策下での取り組みで要求をほぼクリアしていましたが、それが逆にアダとなってしまったのでした。というのも、今回の政策の要求は、各企業が前年比12%の削減をしろというかなり厳しい数値要求であったためです。そもそも汚染物の排出量が少ない企業が、さらに12%もの数値の上乗せを達成するのは至難のわざといえるでしょう。
日系企業は一般的に、政府の要求に関して自主的に計画して実行する国民性ならではの真面目な気質があります。それにより「優秀企業」という認定を受けるまで対策を突き詰めてしまった結果、さらなる削減要求に伸び代がなくってしまい、自分の首を締めるという皮肉な状況に陥ったのです。
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