2020/06/26
WITHコロナのBCP
売上への影響は1~ 3 割減が最多
売上への影響を聞いた質問では、新型コロナ対応前と比べ「1 ~3割減」が最多となった。このほか、減少の割合としては、「3 ~ 5 割減」が12.6%、「5 ~ 7割減」が3.2%、「7割以上減」が5.4%となった。売上とは関係のない業種も含まれていたため、実際にはさらに高い割合で売り上げへの影響が出ていることが予想される。
今後、経営に重大な影響が出る事態についても聞いたところ、「緊急事態宣言が続く」が76.1%で最も高かったものの、「三密を避ける事態が続く」(47.6%)、「新型コロナウイルスの完全終息に至らない」(58%)との回答も多く、緊急事態宣言解除後も経営への影響が長期化することを示唆する結果と
なった(グラフ10)。
心的ストレスに黄信号
今回のアンケートでは、組織に従事する個人の心的負担についても聞いた。「こころとからだ」に関しては、「気持ちが落ち着かない」「集中できない」「何をするにもおっくう」といった症状を経験した人が一定割合いることが分かった。さらに深刻化すると動悸や息切れといったからだへの症状が出てくる可能性もあるため注意が必要だ。
また、政府が5月に打ち出した新たな生活様式についても聞いたところ、「帰省や旅行ができない」「スーパーでの三密が気になる」「医者にも気軽に行けない」「外食ができない」といった項目についてストレスがかかっている傾向が表れた。逆に、「通販での買い物」については、ほぼ問題なく行えていることが分かった(グラフ11)。こうしたストレスチェックは各企業でも従業員を対象に実施してみてはどうか。

最後に、自然災害への懸念について聞いたところ、非常に懸念している点については「避難所における感染者を拡大させない取り組み」が最も高く、次いで「災害が重なることによる経済打撃」「医療機関の混雑・機能不全」「三密を避けられない事態によるさらなる感染拡大」と続いた(グラフ12)。避難所における感染拡大と経済打撃への人々の懸念がほぼ等しい状況を考えると、日本全体で自然災害による被災を軽減させる取り組みが急務と言える。

https://bcp.official.ec/items/30028915
WITHコロナのBCP の他の記事
- 進む感染防止策と事業継続における課題
- 進む感染防止策と事業継続における課題
- 進む感染防止策と事業継続における課題
- 感染症対応計画を作っていた組織とそうでない組織の差
- 緊急事態宣言の解除後も在宅勤務を続けますか?
おすすめ記事
-
-
入居ビルの耐震性から考える初動対策退避場所への移動を踏まえたマニュアル作成
押入れ産業は、「大地震時の初動マニュアル」を完成させた。リスクの把握からスタートし、現実的かつ実践的な災害対策を模索。ビルの耐震性を踏まえて2つの避難パターンを盛り込んだ。防災備蓄品を整備し、各種訓練を実施。社内説明会を繰り返し開催し、防災意識の向上に取り組むなど着実な進展をみせている。
2025/06/13
-
「保険」の枠を超え災害対応の高度化をけん引
東京海上グループが掲げる「防災・減災ソリューション」を担う事業会社。災害対応のあらゆるフェーズと原因に一気通貫の付加価値を提供するとし、サプライチェーンリスクの可視化など、すでに複数のサービス提供を開始しています。事業スタートの背景、アプローチの特徴や強み、目指すゴールイメージを聞きました。
2025/06/11
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/06/10
-
その瞬間、あなたは動けますか? 全社を挙げた防災プロジェクトが始動
遠州鉄道株式会社総務部防災担当課長の吉澤弘典は、全社的なAI活用の模索が進む中で、社員の防災意識をより実践的かつ自分ごととして考えさせるための手段として訓練用のAIプロンプトを考案した。その効果は如何に!
2025/06/10
-
-
緊迫のカシミール軍事衝突の背景と核リスク
4月22日にインド北部のカシミール地方で起こったテロ事件を受け、インドは5月7日にパキスタン領内にあるテロリストの施設を攻撃したと発表した。パキスタン軍は報復として、インド軍の複数の軍事施設などを攻撃。双方の軍事行動は拡大した。なぜ、インドとパキスタンは軍事衝突を起こしたのか。核兵器を保有する両国の衝突で懸念されたのは核リスクの高まりだ。両国に詳しい防衛省防衛研究所の主任研究官である栗田真広氏に聞いた。
2025/06/09
-
危険国で事業展開を可能にするリスク管理
世界各国で石油、化学、発電などのプラント建設を手がける東洋エンジニアリング(千葉市美浜区、細井栄治取締役社長)。グローバルに事業を展開する同社では、従業員の安全を最優先に考え、厳格な安全管理体制を整えている。2021年、過去に従業員を失った経験から設置した海外安全対策室を発展的に解消し、危機管理室を設立。ハード、ソフト対策の両面から従業員を守るため、日夜、注力している。
2025/06/06
-
福祉施設の使命を果たすためのBCPを地域ぐるみで展開災害に強い人づくりが社会を変える
栃木県の社会福祉法人パステルは、利用者約430人の安全確保と福祉避難所としての使命、そして災害後も途切れない雇用責任を果たすため、現在BCP改革を本格的に推進している。グループホームや障害者支援施設、障害児通所支援事業所、さらには桑畑・レストラン・工房・農園などといった多機能型事業所を抱え、地域ぐるみで「働く・暮らす・つながる」を支えてきた同法人にとって、BCPは“災害に強い人づくり”を軸にした次の挑戦となっている。
2025/06/06
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方