国土交通省の交通政策審議会は8月11日、「今後の港湾におけるハード・ソフト一体となった総合的な防災・減災対策のあり方」を答申した。平成30年の7月豪雨や台風21号、昨年の房総半島台風や東日本台風など、近年の豪雨・台風被害の頻発化・激甚化を踏まえ、防波堤等の緊急的なかさ上げ・補強や、気候変動による海面水位上昇を踏まえた設計とするための技術基準の更新などを求めた。
 また、危機的事象に対して港湾機能を最低限維持するため、船舶の沖合避難や感染症等にも対応した「港湾BCP」の策定と、実効性を確保する仕組みづくりの検討を提言。そのほか、災害に強い海上交通ネットワーク機能の構築(陸上交通の途絶等に備えたフェリー等による物流網のリダンダンシー〈冗長性〉の確保)などを提言している。
 答申を受け、国交省は「答申に示された自助・共助・公助を含めた総合的な防災・減災対策の施策の具体化に取り組み、災害に対して強靭な港湾機能の形成を進める」としている。