(写真はイメージ:GETTY)

 

2回目となる今回は、Forbesに掲載されたISF幹部Steve Durbinによる、テクノロジーの変化がもたらす脅威の具体例と、それに対する備えに関するエッセーです。

 

Steve Durbinについて

Steve Durbinは、情報セキュリティフォーラム(ISF)のマネージング・ディレクターです。彼が取り組んでいる主な分野には、戦略、IT、サイバーセキュリティ、および企業環境と個人に対する新たなセキュリティ脅威の展望が含まれます。また、テクノロジーやセキュリティの問題に関して、数多く講演し解説も行っています。

Steveは、米国のDigital 50諮問委員会メンバーであり(この組織は、サイバーセキュリティと情報ガバナンスに関するフォーチュン500社の取締役会の人材プールを改善するために設立された組織)、組織やリーダーが情報セキュリティのキャリア形成に取り組む方法を構想するトップ10人の1人に選出されています。また最近では、各業界の展望を形作るビジョンを持つ企業のリーダーとして最も影響力あるトップ20人リストにも選ばれました。

またSteveは、公認マーケターであり、Chartered Institute of Marketingのフェローでもあり、更にHenley Business Schoolの客員講師として、サイバーセキュリティに関する取締役会の役割に関する講演も行っています。

 

以下、Forbes 2020年8月11日から(訳:小原)


5Gはメリットをもたらす一方、セキュリティーへの新脅威を産む

「5G」と総称される、第5世代モバイルのネットワークやテクノロジーの本格展開が続いており、ビジネスの在り方を根本的に変えようとしています。今までにない驚異的なスピード、レイテンシ(待機時間)の大幅な削減、および新帯域での処理能力が、従来と桁違いのリアルタイム接続を可能にするのです。スマートシティ、自律走行車、そして拡張現実は、またとない好機を提供することから、政府からも企業からも5Gテクノロジーに対する莫大(ばくだい)な投資がなされ、成長し続けているのは当然と言えましょう。

そのようなテクノロジーがもたらす明るい未来に膨らむ期待の中で、新たに潜む重大な危険性が見過ごされています。

デジタル接続性が従来にない水準に達し、IoT(モノのインターネット)用デバイスのまん延で、「忘れられた」モノのインターネットが増えるにつれて、企業は数々のセキュリティー上の深刻な課題に直面するでしょう。サイバーセキュリティーとテクノロジーの専門家として、私自身は、拡大した攻撃対象、機械学習プログラムの改ざん、そしてマルウェアが引き起こす脅威について、各社で検討を始めることが極めて重要であると考えます。