2020/11/18
インタビュー
ウィズコロナ時代のITセキュリティー
オープンテキスト株式会社
シニアソリューションコンサルタント 柿本伸吾氏に聞く

シニアソリューションコンサルタント
柿本伸吾氏
新型コロナ対策でテレワークが拡大。ITセキュリティーの考え方も大きく変化している。これまでは社内のファイルサーバーに対する防御が中心だったが、現在は社員がいろいろな場所からいろいろな端末で情報にアクセス。しかも社内のサーバーだけでなく、クラウド上に情報を格納して共有するケースも増えた。ウィズコロナ時代に求められるITセキュリティーとはどのようなものか、企業は何に気を付けなければいけないのか、オープンテキスト株式会社(東京都)シニアソリューションコンサルタントの柿本伸吾氏に聞いた。
――コロナ環境下において、ITセキュリティーはどう変化しているのですか。
従来のITセキュリティーの考え方では、重要な情報は社内の安全な場所に確保され、リモートからのアクセスはあくまで必要な人物や内容に限定されていました。かつ、VPNといわれるネットワーク技術で通信内容を防御し、外部からの不正なアクセスを防ぎ切る。そうすれば、社内の人間は信頼できるメンバーなので問題ないとされていたわけです。
しかし、コロナ環境下で在宅勤務が当たり前となり、従業員が使用するパソコンも会社から貸与されたものに限らず、個人の端末を使うようになってきた。情報自体も、社内のファイルサーバーだけでなくさまざまなクラウドサービスの中に格納されるようになってきています。
社内の人間もメンバーが多様化、なりすましも出現して、本当に信頼できるのかわからなくなってきた。現に、悪意のある・なしはともかく、情報漏洩が多発しています。つまり社内のインターフェイスをしっかりガードし、怪しい人物や不正なアクセスを遮断するという従来の対策だけでは足りなくなってきた。それが、現在のITセキュリティーが置かれている状況です。
- keyword
- テレワーク
- ITセキュリティー
- ゼロトラスト
- コンテンツセキュリティー
- マルウェア
インタビューの他の記事
おすすめ記事
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/07/01
-
-
-
「ビジネスイネーブラー」へ進化するセキュリティ組織
昨年、累計出品数が40億を突破し、流通取引総額が1兆円を超えたフリマアプリ「メルカリ」。オンラインサービス上では日々膨大な数の取引が行われています。顧客の利便性や従業員の生産性を落とさず、安全と信頼を高めるセキュリティ戦略について、執行役員CISOの市原尚久氏に聞きました。
2025/06/29
-
-
-
柔軟性と合理性で守る職場ハイブリッド勤務時代の“リアル”な改善
比較サイトの先駆けである「価格.com」やユーザー評価を重視した飲食店検索サイトの「食べログ」を運営し、現在は20を超えるサービスを提供するカカクコム(東京都渋谷区、村上敦浩代表取締役社長)。同社は新型コロナウイルス流行による出社率の低下をきっかけに、発災時に機能する防災体制に向けて改善に取り組んだ。誰が出社しているかわからない状況に対応するため、柔軟な組織づくりやマルチタスク化によるリスク分散など効果を重視した防災対策を進めている。
2025/06/20
-
サイバーセキュリティを経営層に響かせよ
デジタル依存が拡大しサイバーリスクが増大する昨今、セキュリティ対策は情報資産や顧客・従業員を守るだけでなく、DXを加速させていくうえでも必須の取り組みです。これからの時代に求められるセキュリティマネジメントのあり方とは、それを組織にどう実装させるのか。東海大学情報通信学部教授で学部長の三角育生氏に聞きました。
2025/06/17
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方