授業でも研修でもすぐに使えるグループワークのトリセツ(発行:北樹出版、B5サイズ142ページ、ソフトカバー)

新型コロナの感染防止策として、今やほとんどの組織がWeb会議を取り入れていることかと思います。中にはグループワークもWebで実施してしまうなど、高度な活用方法にチャレンジされている組織も多いことでしょう。グループワーク用のルームを複数設定できるWeb会議システムも人気ですね!

ところで、そのグループワークはうまくいっていますか? みんなが勝手に話して山のように意見が出てそのまま終わってしまったり、一人だけが話続けているようなことはありませんか?

このほど、北樹出版から発刊された「授業でも研修でもすぐに使えるグループワークのトリセツ」の著者である兵庫県立大学教授の木村玲欧氏は「すべてルールがないことが原因」と指摘しています。グループワークに限らず、会議やセミナーでも、うまくいかない原因は、ルールが明確になっていない、あるいは、事前準備がしっかりしていないことがほとんどのようです。

この本は、初めてワークショップを運営しようとする人でも、すぐに取り組めるように編まれたファシリテーションの実践書です。もちろん、防災やBCPにも応用できます。料理を作る時のレシピ本のように、あるいは楽器で演奏する人のための楽譜のように、グループワークを運営するための指導案が時間配分とともに台本のように書かれています。

テンプレートや記入例が豊富で、すぐに使える

各指導案やワークシートはウェブサイトよりダウンロードができ、自分好みに編集可能なためオリジナルのワークショプ企画・運営も素早く実施できるのでファシリテーターにとって至れり尽くせりな内容です。

また、オンラインにおけるグループワークの注意点やグループワークにおける感染症対策など最新の情報も掲載されています。

【目次】
〈 理論編 〉
STEP 序 「グループワーク」をめぐる動きを知る
(1)グループワークとは何か?
(2)グループワークは、アクティブ・ラーニングを実現するための手段
(3)ワークショップは、アクティブ・ラーニングを実現する場
(4)ファシリテーターの存在によってワークショップは円滑に進行される

〈 実践編 〉
PART1 アイスブレイクを学ぶ

STEP01 アイスブレイクをしよう
(1)グループワークのはじめは「アイスブレイク」から
(2)グループ内の「心理的安全性」を高める
(3)アイスブレイクには3種類ある
(4)「カタルタ」を使った「アイスブレイク」「コミュニケーションゲーム」

STEP02 相手の話を聞こう
(1)「他人」を材料にしたアイスブレイク
(2)「情報」をフセンの単位でまとめる

STEP03 集団を理解しよう
(1)「集団」を材料にしたアイスブレイク
(2)集団を理解しようとすることで「対人認知」能力が向上する

PART2 発散技法を学ぶ

STEP04 思いついたことを口にしてみよう
(1)「問題」「問題解決手法」とは何か
(2)4種類の問題解決手法
(3)おすすめしたい4冊
(4)発散技法「自由連想・関連法」を学ぶ

STEP05 アイディアを調理してみよう
(1)発散技法「チェックリスト法」を学ぶ
(2)オズボーンの9つのチェックリスト
(3)デ・ボーノの「シックスハット法」

STEP06 アイディアを評価してみよう
(1)発散技法「評価尺度法」を学ぶ
(2)尺度とは何か

PART3 発散技法の成果を使った収束技法を学ぶ

STEP07 ブレインストーミングによる親和図法・連関図法をしてみよう

(1)発散技法「ブレインストーミング」を学ぶ
(2)収束技法「親和図法」「連関図法」を学ぶ
(3)グループワークにおける役割分担

STEP08 テーマについてみんなで分析してみよう
(1)収束技法「SWOT分析」を学ぶ
(2)収束技法「SWOT分析」の進め方

PART4 評価を意識して発表をつくる

STEP09 みんなの提案をみんなで評価してみよう
(1)収束技法「欠点-改善点(課題-対策)列挙法」を学ぶ
(2)収束技法「欠点-改善点(課題-対策)列挙法」の進め方
(3)お互いの内容を評価する

STEP10 グループワークによる発散技法・収束技法を様々な分野に応用してみよう
(1)グループワークによる発散技法・収束技法を様々な分野に応用する
(2)リスク評価・リスク管理をする

その他、配布資料や指導案、コラムも掲載

 

著者紹介
木村 玲欧(キムラ レオ)

兵庫県立大学環境人間学部・大学院環境人間学研究科教授。 1975年東京都生まれ。早稲田大学人間科学部卒業、京都大学大学院情報学研究科修士課程、同博士後期課程修了、博士(情報学)(京都大学)。認定心理士、専門社会調査士。 名古屋大学大学院環境学研究科助手・助教等を経て現職。専門は防災心理学、防災教育学、社会調査法。 主な委員は、内閣府・防災教育チャレンジプラン実行委員会委員、関西広域連合・関西広域防災計画策定委員会委員など多数。神戸市消防局・防災マネジメント研修講師など、防災に関するグループワーク研修講師を多数務めるほか、防災に限らず、大学・企業・地域等でのグループワーク企画支援・監修や研修講師も務めている。