染谷ディレクターはリスクの可視化が可能な同サービスについて説明

トーマツは14日、クラウドベースの企業向けリスク分析サービス「リスクアナリティスク オン クラウド」の提供を2018年2月から開始すると発表した。子会社、経費・労務といった分野別の分析アプリを提供。データを基に各部門のリスクを可視化し、顧客企業に対応を促す。国内の監査法人でクラウドベースのリスク分析サービスは初。

例えば子会社分析であれば、売上原価の隠蔽リスクを分析する場合、不自然な利益率の動きを分析。異常を感じ取ればアラート表示し、不正の疑いをユーザーに知らせる。労務・管理なら残業時間の過少申告の疑いがあれば、勤怠報告とパソコンのログとのかい離の可視化などで見分けたりする。また経費不正であれば、同一人物が同一日に全く関連性のないルートの出張経費を申請しているといったものを見つけ、警告を促す。

同社で数千社以上の分析経験を基にアプリを開発。過去データの蓄積によりリスク識別や分析精度を向上させ、企業ごとの特性をつかんでいく。同社では子会社、経費・労務以外に販売、購買の分析アプリも開発中。販売であれば架空売上や債権回収の悪化、購買であれば取引先との共謀や架空会社への支出といった不正リスクの発見に役立つ。

グローバル化で海外子会社が増加したり、働き方改革が叫ばれたりする一方、リスク管理の人材が不足し、分析環境や分析のための予算、リスクを見分けるための知見が少ない企業が多い。トーマツの染谷豊浩ディレクターは14日の記者発表会で「社内で専門人材を育てる必要もなく、育成コストが不要になる」と導入のメリットを述べた。危機管理や内部監査の部署での利用を想定。価格は1アプリの利用が年間500万円程度で、2つ目以降はディスカウントも適用する。子会社、経費・労務の分析アプリは2018年2月、販売、購買は同年4月の導入を見込んでいる。

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(了)

リスク対策.com:斯波 祐介