小池知事は防災など、都政や都民生活向上への幅広いICT活用を説明した

東京都は22日、「東京都ICT戦略」を発表した。今年度から2022年度まで5年間のICT利活用の方向性を示したもので、防災での情報収集強化や多言語での情報提供などに取り組んでいくほか、民間のICT活用やサイバーセキュリティ対策も後押しする。

基本的な考え方としてICTを活用し(1)都市機能や都民サービス向上(2)データ活用(3)官民連携で行政課題を解決する仕組み構築(4)民間を後押しし生産性向上や新価値創造を図り、東京と日本の成長へつなげる―以上の4つを柱とする。

安全・安心への取り組みとして、防災・減災では民間からも含めた広い情報収集を目指す。都水道局ではツイッターを活用した漏水情報の都民からの収集に取り組んでいるが、こういった情報収集をさらに拡大・強化を推進する。り災証明書の発行といった被災者支援へ業務の標準化や区市町村へのシステム導入を促進する。ICTにより図上訓練の一部を自動化し、消防隊員の指揮能力を向上させていく。普及するデジタルサイネージを災害情報の伝達に活用。多言語対応も行う。

治安対策ではSNSなどウェブ上の情報から犯罪の兆候を早期に把握する。2020年東京オリンピック・パラリンピックで最新の画像・映像解析などを活用した警備導入へ多くの人が集まる場での実証実験を実施。実用化し、大会時に東京がICTのショーケースとなることを目指す。サイバーセキュリティでは都は中小企業向けに標的型攻撃訓練やガイドブックの提供を行っている。外部機関との連携などさらなる対応強化に努める。

小池百合子知事は22日の記者会見で「都は(降雨情報の)『東京アメッシュ』や、地下鉄や都バスといった交通など情報をたくさん持っている。これを基に民間でアプリなどができ、都民のニーズとうまく合えば大変な財産となる」と述べ、民間のICT活用を後押しする方針を述べた。

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http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2017/12/22/08.html

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(了)

リスク対策.com:斯波 祐介