2017/12/26
防災・危機管理ニュース
消防庁は22日、「消防指令システム等の相互接続に関する研究会」の第2回会合を開催。メーカーごとに異なる消防指令システムと消防救急無線の相互接続の仕様の標準化へ、メーカーや地方自治体の意見が述べられた。
消防本部と消防・救急隊を結ぶ消防救急無線は2016年にデジタル化を完了。119番通報を受ける電話網や防災情報システム、消防OAシステムとも消防救急無線は接続されている。しかし消防指令システムと消防救急無線の相互接続の仕様がメーカーごとに違うことが明らかとなり、制御や通信の方式が既設メーカーしかわからないと今後の通信に支障をきたす可能性があることから、インターフェースの標準化を行う。
両システムの間に中間サーバーを設置し、インターフェース仕様と本仕様の変換を行うことも考えられている。この案に対してメーカー側から既設設備の機能によって、中間サーバーの機能範囲が異なるのではないかと指摘。機器の監視情報などは各社の機器構成が異なり、共通化は難しいと見込みを示した。また、現状のシステム入札は既設メーカー以外が既設システムの更新を行ったり既設機器に合わせた改良を行ったりすることが事実上困難であることも指摘された。
自治体側からは京都市消防局が指令システムと消防デジタル無線を別入札としたが、必要に応じてメーカー職員同士でやりとりも行い、問題なく連携し構築した例を明らかにした。通信会社で構成する一般社団法人・情報通信技術委員会(TTC)でもインターフェースや各社の個別機能の整理・検討を行っており、同研究会に進捗を報告する。消防庁では相互接続の仕様の標準化を2018年度に完了させる計画。
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年4月23日配信アーカイブ】
【4月23日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:南海トラフ地震臨時情報を想定した訓練手法
2024/04/23
-
-
-
2023年防災・BCP・リスクマネジメント事例集【永久保存版】
リスク対策.comは、PDF媒体「月刊BCPリーダーズ」2023年1月号~12月号に掲載した企業事例記事を抜粋し、テーマ別にまとめました。合計16社の取り組みを読むことができます。さまざまな業種・規模の企業事例は、防災・BCP、リスクマネジメントの実践イメージをつかむうえで有効。自社の学びや振り返り、改善にお役立てください。
2024/04/22
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年4月16日配信アーカイブ】
【4月16日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:熊本地震におけるBCP
2024/04/16
-
調達先の分散化で製造停止を回避
2018年の西日本豪雨で甚大な被害を受けた岡山県倉敷市真備町。オフィス家具を製造するホリグチは真備町内でも高台に立地するため、工場と事務所は無事だった。しかし通信と物流がストップ。事業を続けるため工夫を重ねた。その後、被災経験から保険を見直し、調達先も分散化。おかげで2023年5月には調達先で事故が起き仕入れがストップするも、代替先からの仕入れで解決した。
2024/04/16
-
工場が吹き飛ぶ爆発被害からの再起動
2018年の西日本豪雨で隣接するアルミ工場が爆発し、施設の一部が吹き飛ぶなど壊滅的な被害を受けた川上鉄工所。新たな設備の調達に苦労するも、8カ月後に工場の再稼働を果たす。その後、BCPの策定に取り組んだ。事業継続で最大の障害は金属の加温設備。浸水したら工場はストップする。同社は対策に動き出している。
2024/04/15
-
動きやすい対策本部のディテールを随所に
1971年にから、、50年以上にわたり首都圏の流通を支えてきた東京流通センター。物流の要としての機能だけではなく、オフィスビルやイベントホールも備える。2017年、2023年には免震装置を導入した最新の物流ビルを竣工。同社は防災対策だけではなく、BCMにも力を入れている。
2024/04/12
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方