ウエブ会議の場合はリアル会議とは違ったファシリテーションの心得が必要(写真:写真AC)

新型コロナウイルス感染症の流行もあり、多くの企業でウェブ会議が利用されていますが、そこにはメリットとともにデメリットもあります。ウェブ会議を導入するのであれば、できる範囲でデメリットを解消しつつ、メリットを生かすことが求められます。前回はウェブ会議の運用について解説しましたが、今回はウェブ会議の効果的な活用方法を考えます。

1.ウェブ会議の準備段階での留意点

ウェブ会議を開催するにあたっては、事前に押さえておくべきポイントがあります。

(1)会議のアジェンダを事前に決め、参加者で共有する

議題や資料などを事前にそろえてしっかり準備(写真:写真AC)

アジェンダは「議題」という意味で使われますが、実際には会議の開催日時や目的、議題、そして出席者や時間配分などが含まれます。ウェブ会議の開催が決まったことを連絡する段階で、当日のアジェンダと関連する資料を送信しておきます。そうすることで、参加者が会議で話し合うべきことに対して共通認識を持つことができます。

ウェブ会議の場合、全員が同じレベルで集中できる時間は限られますから、会議の時間は60分程度で設定するとよいでしょう。議題の数が多く、それより長い時間が必要な場合は、適宜、休憩を入れることも必要です。

(2)ウェブ会議のセキュリティーを確保する

リアル会議が閉ざされた会議室で行われるように、ウェブ会議でもそこで話された情報を守るためのセキュリティー対策が必要です。

ウェブ会議のURLは参加者だけに知らせ、関係者以外が入ることがないようにします。あわせて、パスワードを設定することも忘れてはなりません。

事前の接続テストも(写真:写真AC)

(3)ウェブ会議システムの接続テストを行う

現在、多くのウェブ会議システムが使われています。社内会議で使う会議システムは決まっていると思いますが、社外との打ち合わせの場合は、相手次第で使う会議システムが変わり得ます。

通常使っていない、あるいは使いなれていない会議システムの場合は、当日、会議が始まる時間になって入室できないということがないように、事前に接続テストをしておくことが重要です。

また、ウェブ会議を主催することが多い企業では、相手に合わせられるように、複数の会議システムに対応できることとも求められます。

(4)ウェブ会議の運営ルールを共有する

ウェブ会議を円滑に進めるためには、次のように一定のルールを策定し、参加者で共有することも必要です。ただ、社外との打ち合わせの場合は、そのルールを相手に了解してもらうことも大切です。

・相手が聞き取りやすいように、できる範囲でイヤホン・マイクを使用する
・自分の所属と名前が表示されるように設定する
・自分がスピーカーでないときは、マイクをオフにする など