2021/01/27
【オピニオン】緊急事態宣言再発出と延長
苦境に立っている企業は声をあげるべき
政府の緊急事態宣言によって経済社会のダメージが一層深刻化。先行きが見通せない状況が続くなか、飲食大手では「このままでは雇用を守れない」として営業時間短縮要請に応じない動きが広まっている。企業の危機管理担当者がいま持つべき視点と取り組むべき対策を聞くリレーインタビュー第3弾は、危機管理広報の観点からの意見を紹介。
https://www.risktaisaku.com/feature/bcp-lreaders
企業はいま何をすべきか
日本リスクマネジャ-&コンサルタント協会副理事長/広報コンサルタント
石川慶子氏
Q.2度目の緊急事態宣言が発出された。企業の危機管理広報の観点から、現在の状況をどう見るか?
マスメディアの報道が極めて偏っていると感じる。苦境に立たされているのは医療現場だけではなく、守るべきは高齢者だけではない。にもかかわらず、それ以外の弱い立場の人たちがほとんど置き去りにされている。
昨年4月のときはまだ新型コロナについて分からないことが多かったが、いまはいろいろな知見が蓄積されている。一方で経済が相当痛めつけられ、倒産や廃業、失業、自殺者が増えている。大学生は依然として学校に行けず、就職もできない。それなのに、マスメディアは4月と変わらず「医療を守ろう」「命を救おう」と、この期に及んでみなが同じ方向を向いて同じ報道を繰り返している。とても危険だ。
Q.飲食業から(会社を守るためには)「時短要請には従えない」という声が発信され始めた。これをどう考えるか?
危機管理広報は、基本的には自社が原因の事故や不祥事、あるいは不可抗力の災害によってステークホルダーに損害を与えてしまうおそれがあるとき、しっかりと謝罪や説明をすることで組織を守るものだ。しかしそれ以外でも、事業の存続が脅かされる事態になれば、当然、メッセージを発信していい。
飲食店が声をあげるのは、困っているからだ。政府・自治体の要請に反しているとしても、困っていることを「困っている」といって何も問題ない。むしろ「叩かれるからいえない」「批判されるからいえない」ということこそ問題で、それでは本当に正しい判断などできない。
困っている企業は自社の意見や考えを理由も含めて発信し、反論がある人はもちろん反論すればいい。そうした議論が、特に経済界からもっと出るべきだ。黙っていれば何も起きない。自社の考えをていねいに説明し、もし間違ってしまったときであれ、批判が来たら堂々と受ければいい。
- keyword
- 緊急事態宣言
- 飲食業
- 時短要請
- グローバルダイニング
【オピニオン】緊急事態宣言再発出と延長の他の記事
- 政府・自治体はリスクマネジメントに失敗したブレる「リスク許容度」 簡単に変わるゴール
- 緊急事態宣言下の社会江戸庶民の危機対応に学ぶ
- 資金繰り支援頼みでギリギリ経営を維持負債増えるも売上なし 春先の息切れ懸念
- 感染症法上の扱い柔軟に 年齢層による使い分けも
- 苦境に立っている企業は声をあげるべき一方向のメッセージだけ優先するのは危険
おすすめ記事
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2026/09/15
-
-
-
-
防災は面白くないと広がらない
地震が起きたとき、スマートフォンに通知された情報を頼りに避難を判断することが多いだろう。緊急地震速報の情報から、いまどのように動くべきかを判断できる、そんな身近な危機管理を習慣づけた1 社が、アールシーソリューション(東京都新宿区)だ。2010 年に提供開始したスマートフォンアプリ「ゆれくるコール」は、緊急地震速報を受信できるアプリとして多くのユーザーが利用している。代表取締役の栗山章さんは、数多くのユーザーに防災の重要性を広めてきた一方で、ビジネスとして成り立たせる難しさにも直面してきたという。これまでのサービス開発の経緯や、防災ビジネスへの価値観を聞いた。
2026/09/09
-
被災施設への再入場判断「戻ってはいけない」では解決しない避難後の問題
大地震が発生し、安全な場所へ避難して一息つくと、人々には「ひとまず危険のピークは過ぎた」という根拠なき安心感が芽生える。そして、さまざまな理由で「避難してきた場所に戻りたい」といった気持ちが生じる。しかし、被害がどの程度なら戻ってよいのかについての明確なルールや事例は、どこを探してもあまり見当たらない。 国には応急危険度判定という仕組みや、施設管理者が建物を緊急点検するための指針などもある。が、これらは避難直後の「戻りたいニーズ」に応える仕組みではない。ここに、避難直後の「再入場」という古くて新しい問題がある
2026/09/09
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2026/09/07
-
-
-
暗黙知を形式知へ、10年の徹底改善が生きた
熊本市の工務店・新産住拓株式会社(小山英文社長)は、2016年の熊本地震や近年相次ぐ豪雨災害を通じて災害対応を磨き上げてきた。発生当日は、約3割の社員が定休日で社長も不在という条件下にもかかわらず、地震発生から50分で社員の安否確認をおおむね完了し、2時間後にはホームページや顧客専用サイトで被害受付を開始した。
2026/08/24





※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方